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UPDATE|2022/11/23

高城れにが結婚してもアイドル継続、ももクロが開拓し続ける令和のエンタメとは

高城れに 『OVERTURE No.014』(徳間書店)より



さらには、大御所からの「愛され力」だ。代表的な所で、加山雄三やさだまさしから可愛がられていることは有名だが、昨年7月からは、ザ・ドリフターズと、ニコ生チャンネルでレギュラー配信番組『もリフのじかん』がスタートした。昨年11月には、日本武道館でライブとコントを交えたイベントも行っている。ドリフが武道館のステージに立ったのは、1966年に行われたビートルズの来日コンサートの前座公演以来、実に55年ぶりのことだった。

アルフィーの坂崎幸之助とは、長らくCSの歌番組で共演中(現在のレギュラー出演は玉井詩織のみ)。松崎しげる、泉谷しげる、五木ひろし、HYDE、西川貴教、氣志團といったアーティストの主催フェスに何度も呼ばれたり、ももクロのラジオ番組のイベントに、和田アキ子や吉永小百合がゲストで登場したりしたこともある。

そして、その「愛され力」は海外アーティストにまで広がっている。強烈なインパクトを残したKISSとのコラボの他、レディー・ガガの来日公演でオープニング・アクトを務めたり、カーリー・レイ・ジェプセンとステージで共演したりするなど、これまでの日本の女性アイドルグループが誰もやったことのないような、国内外のビッグネームとの夢のコラボを次々と実現して来た。

ここで、もう少し、ももクロの音楽面の魅力も深掘りしてみたい。ももクロのライブの魅力は何と言っても「生歌」だ。そして、夏フェスや大型ライブの際には、バックバンドが入って「生演奏」するので、その魅力はさらに倍増する。楽曲に対しては、デビュー当時の印象のまま、いまだに「ももクロの楽曲=クセが強い」と思っている人も多いことだろう。

『行くぜっ!怪盗少女』や『ココ☆ナツ』といった初期の代表曲を手掛けたのは、「ヒャダイン」こと前山田健一。現在もアルバム収録曲など手掛けてはいるが、最近の楽曲提供アーティスト達もいい意味でかなりクセが強く、音楽ファンを唸らせている。例えば、最新アルバム『祝典』には、Mom、の子(神聖かまってちゃん)、眉村ちあきらが楽曲を提供。前作『MOMOIRO CLOVER Z』では、CHAI、GLIM SPANKY、志磨遼平(ドレスコーズ)といったロックバンド達も楽曲を提供している。

そんな最近の2枚のアルバムの中に、ロックフェス対策として作られたとしか考えられないような楽曲が2曲ある。『あんた飛ばしすぎ!!』と『ダンシングタンク▽』だ。どちらもいわゆる自己紹介ソングなのだが、原曲はGARLICBOYS。メンバー4人が順番に、自分の長所や短所を歌い繋ぐパンクナンバーなのだが、これがとにかくライブやフェスで映える。ロックフェスで初めてももクロのライブを見て、即「推し」を見つけ、そのまま「沼」にハマってしまった…なんてロックファンもいるくらいだ。是非、初期のヒャダイン曲のイメージしかない人にこそ、今のももクロの楽曲にも触れてみて欲しい。

AUTHOR

南 喜一


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