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UPDATE|2022/08/26

DJ KOOがプロとしての心得を徹底解説「61歳の今が一番DJとして充実している」

DJ KOO 撮影/荻原大志



──なるほど。奥深い世界です。

KOO たとえば先日も大阪のディスコでプレイしてきたんですけどね。やっぱり結構いろんなことを考えました。「コロナもあったから、久しぶりの人も多いだろうな」「いつもより客層が若い。EDM中心だとついてこれないかもしれない」「だったらTikTokでバズっているJ-POPをメモリスティックにいっぱいダウンロードしよう」「その流れで飽きられてきたらヒット曲を一発挟もう」「そしてフィニッシュホールドはこのあたりかな」……こうした下準備やシミュレーションは若い頃よりたくさんやるようになりました。

──それも今までの経験があるから可能なことかもしれません。

KOO DJといっても、ミックスとか繋ぎの技術だけだったら練習すれば誰でもできるんですよ。でも、本当に大事なのはそこじゃない。選曲とか雰囲気づくりのほうがよっぽど大事だし、難しい。いきなり古い曲が入ると、それだけでガラリと空気が代わったりもしますので。そこは本当にトライ&フォローの繰り返しですよね。そもそも根本的な話として「なぜ自分は音楽をやっているのか?」というところに戻ると、みんなに笑顔を届けたいからなんですよ。とにかく現場で喜んでもらわなくちゃDJなんている意味がない。あくまでも主役はお客さんだから。

──これまで特に印象に残っている現場は?

KOO 最近だと音楽ゲーム「beatmania」のイベントは強烈でしたね。beatmaniaのプロリーグ(BEMANI PRO LEAGUE)が始まるということで、そのオープニングDJをしたんです。beatmaniaで使われている曲縛りで選曲することにしたんですけど、なにしろ25年くらい続いている人気ゲームだから曲の数が膨大で……。ダブもあれば、トラップもあれば、ユーロビートもある。それこそビートが無尽蔵にあるから、展開を作るハードルがめちゃくちゃ高かった(笑)。1週間くらい、ずっと下準備していたな。

AUTHOR

小野田 衛


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