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UPDATE|2021/12/24

あの日、そこに「でべそ」があった…HKT48・10周年記念公演、客席からは分からない10年目の真実

HKT48「HKT48劇場 10周年記念特別公演」(C)Mercury



そんな作業を繰り返していくうちに、ステージではある異変が起きはじめていた、という。過去の楽曲を覚えようと必死になっている若いメンバーの姿を見て、当時のオリジナルメンバーたちが「ここはこうだよ」「こうしたほうが綺麗に見えるよ」と熱心にアドバイスしはじめた、というのだ。

まさに奥義伝承! 10周年を迎えても、まだ1期生と2期生がたくさん残っている環境だからこそ実現したことでもあり、過去の楽曲を一夜だけ復活させるのではなく「次の10年」に向けて、オリジナルに近い形で復刻し、旧劇場を知らない世代たちに受け継いでいく。そんな大事な儀式が公演の裏では行なわれていた。

初日は最初の5年間を振り返る構成となるので、必然的に最初からいた1期生が目立つこととなったが(それがまた10周年感を際立たせた)、2日目のオープニングは松岡はながはじめてセンターを務めた『最高かよ』からスタート。

松岡はなは「5年前に初披露したときの気持ちで歌ってください、とスタッフさんに言われました」と語る。たくさんの原点回帰がありとあらゆるところに組みこまれた2日間でもあり、2日目の後半になればなるほど、新しいメンバーが目立ってくるようになる。そして、アンコールでは新アルバムのリード曲である『突然Do love me!』が披露され(この段階では、まだアルバムがリリースされる前だった)、しっかりと未来も映し出された。

もう書ききれないほどの名シーンの連続だったし、いまとなってはもはや意味合いがまったくちがってくるステージ上での光景もあった。これから先、メンバーのインタビューなどで掘り下げていけたら、と思うし、そういう意味でもHKT48はまだまだ語れる存在だな、と再認識できた2日間でもあった。

AUTHOR

小島 和宏


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