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UPDATE|2021/12/24

あの日、そこに「でべそ」があった…HKT48・10周年記念公演、客席からは分からない10年目の真実

HKT48「HKT48劇場 10周年記念特別公演」(C)Mercury



時系列で歴史を追っていくので、初日は旧劇場での思い出を再現するシーンが多くなる。だから「でべそ」の設置は必須だったし、そこに立った1期生と2期生の多くが「泣きそうになった」と振り返る(それより前に幕が開いた瞬間に、1期生の熊沢世莉奈が1曲目から泣いていたので、もう見ている方はグッときまくりだったのだが)。

10年前、旧劇場で見たのとまったく同じ景色がそこには広がっていた、とメンバーは語る。

客席側からはわからない10年目の真実。懐かしすぎて、涙腺が緩んだところで、コロナ対策のため、1席飛びでお客さんが座っている光景に気づき、一気に2021年に引き戻された、というメンバーも。美しい思い出と現在のリアル。復活した「でべそ」はそんな時空の交差点に立っていた。

ただただ楽しいだけではない。2日で100曲。しかも、見ていてびっくりしたのは、ふたつ前の楽曲に参加したメンバーが、気がつくと違う衣装に着替えて、またステージに立っている、ということ。1曲の合間に早着替えをして、またステージに戻ってくる。これは劇場だからこそできる突貫作業。本来であれば10周年は大きな会場で、と期待してしまうが、コロナ禍ではなかなか難しい話である。だが、これだけの人海戦術を駆使したセットリストを組めただけでも、劇場での特別公演という形でよかったんだな、と実感した。

当然、リハーサルは過酷なものとなったが、1期生と話をしていると「本当に大変だったのは若いメンバーですよ」と口を揃えた。10年間の歴史をたどるセットリスト。1期生はほとんどすべての楽曲をパフォーマンスしてきた経験があるから、もう一度、覚えなおしたり、確認したりすれば済むのだが、キャリアが浅いメンバーになればなるほど、新規に覚えなくてはいけない楽曲の数が増えてくる。たしかにこれは大変だ。

AUTHOR

小島 和宏


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