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UPDATE|2024/03/12

『不適切にもほどがある!』ローマの休日ならぬ“牢屋”の休日で描かれる恋模様、「金妻」オマージュは伏線!?

『不適切にもほどがある!』公式HPより



第7話を観ていて、筆者は「今回のエピソードは、どこが不適切なのだろう?」と考え込んでしまった。そして、あるひとつの妄想が頭をもたげたのである。これは、<不倫>を描くための伏線なのではないか?

井上教授(三宅弘城)の説明によれば、市バス型タイムマシンが走行するのは土曜日の一便のみで、行きは早朝4時55分、帰りは3時55分。だから純子は、「土曜日になったら帰らなくてはいけない」とナオキに伝え、その前日の金曜日に最後のデートを楽しんだのである。

金曜日…それで思い起こされるのは、TVドラマ『金曜日の妻たちへ』だ。パート1からパート3まで制作されたこの作品は、バリバリの不倫ドラマ。今回のエピソードでも、『金曜日の妻たちへIII・恋におちて』主題歌「恋におちて -Fall in love-」が店内に流れるなか、サカエ(吉田羊)が息子の担任教師・安森(中島歩)に突然告白されるシーンがある(サカエは井上と離婚しているので、不倫にはならないのだが)。

第6話では、サカエが『金曜日の妻たちへIII』の再放送を食い入るように眺めているシーンがあった。『不適切にもほどがある!』には、妙に「金妻」オマージュが多い。これは、未来で純子とナオキが不倫することを暗示しているのではないだろうか?純子はカラオケで「恋におちて -Fall in love-」まで歌っているのだ。

…と勝手な考察をしてしまったが、宮藤官九郎にしてみれば視聴者の勝手な感想・考察に振り回されることも、令和カルチャーの辛いトコロなのだろう。明らかに自分自身をカリカチュアした脚本家エモケンは、エゴサしては落ち込むという負のスパイラルに陥っている。今回のタイトル「回収しなきゃダメですか?」は、なんでもかんでも伏線を張らなきゃダメなのか?という、自分への、そして視聴者への問いかけでもあるはずなのだから。

【あわせて読む】『不適切にもほどがある!』宮藤官九郎が南沙織「17歳」オマージュに込めた想いとは?
AUTHOR

竹島 ルイ


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