──あはは、それほど松村さんの中でもえりぴよという存在が強く馴染んだと。
松村 はい。撮影期間中、頭の中はずっと「舞菜が世界一‼」状態でした(笑)。回を重ねるごとに“松村沙友理”が抜けていって、終盤には完全に「えりぴよという一人の人生を歩んでいる」、そんな気分になっていました。
平尾 もう、松村さんが動いているだけで嬉しかった。とにかく可愛いし、オタク三人(豊田裕大、ジャンボたかお)との並びのバランスもすごく見事で。松村さん、絶対に普段されないようなガサツな動きをされていて、すごくえりぴよを理解してくださっているんだなと感じました。
松村 ありがとうございます(ニコニコ)。
──松村さんは、えりぴよ役が決まる前から、『推し武道』の熱烈なファンだったそうで。
松村 はい。一読者・視聴者として『推し武道』を漫画もアニメも、感動して泣くほど楽しませていただいて。正直、本当に申し訳ないのですが、「えりぴよって、私に近いなあ」と勝手に思いながら読んでいたので、このオファーをいただいたときは「私以外いないでしょ‼」と思ってしまったぐらい(笑)。しかもクラインクインは2、3ヶ月先なのに、えりぴよの髪の明るさにしたりして。
平尾 てっきり役に近づけるために、染められたと思っていました(笑)。
松村 偶然、前髪も長く伸ばしていて。「これ、えりぴよは完璧に私じゃん!」と、どんどん意識していっちゃって。私は長年アイドルをやってきて、立場は違いますが、自分に近い世界を舞台にした作品に出演できるのは本当に光栄です。原作とアニメへのリスペクトを最大限に出すよう、演じていました。