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UPDATE|2022/10/06

始まりは父への親孝行、新センター・青海ひな乃に芽生えたSKE48愛「人任せじゃダメなんです」

9月25日(日)に地元名古屋の日本ガイシホールにて開催された「SKE48 14th Anniversary Festival 2022」より(C)2022 Zest, Inc. / AEI


 須田が有終の美を飾るためにセンターに立つ。そんな判断もあったはず。しかし、現実にはそうならず、グループでは若手に位置づけられる青海が中心に据えられた。時計の針を進めるためだろう。その期待を青海は感じながら、数千人が見守るステージに立ち、新曲を初披露した。

 そればかりか、コンサート終盤には「超世代」宣言をした。ステージ上からは「SKE48を超えるという意味で“超世代”としてやっていきたいです」と説明したが、改めて本人に真意を問うた。

青海「9期生の私はグループのなかでは若手です。これまでも新世代コンサートや若手だけのユニットをやらせていただきました。でも、それだけでは足りないんです。先輩たちが作ってきたもの超えて、初めてSKE48が続いていくんです。たくさんの先輩たちが卒業していった今こそ、私たちが超えていかないとダメなんです」

 超世代と聞くと、思い出されるのはプロレスラーの三沢光晴だ。全日本プロレス所属時の1990年、試合中に虎の仮面を脱ぎ捨てて、素顔で勝負することを選んだ三沢は、川田利明らと超世代軍を結成。先輩であるジャンボ鶴田やスタン・ハンセンら強敵と激闘を繰り広げ、そして勝利した。“過去のSKE48”という巨大な敵に挑む青海の姿と重なる。

青海「今までの大きな存在に勝つというのはプロレスと同じですね。それは、SKE48に染まりきっていない世代の私たちだからできることだと思います」

 青海はSKE48のことをほとんど知らずに加入した。ときは2018年。48グループへの合格を夢見る若者は、熱烈なファンがほとんどだった。そんななか、青海はSKE48を人生の進路として選択した。「ひな乃が踊っている姿を見せたら、お父さんが喜ぶんじゃないか」と兄に背中を押された。その時、父は脳梗塞で倒れていた。今年5月、青海は家族をSKE48劇場に招待し、晴れ姿を見せた。涙が止まらない父に娘はステージからレスを送った。娘ができる最高の親孝行だった。

 14周年コンサートでは、ある発表があった。12月18日に東京・中野サンプラザで「新世代コンサート」を開催するという。これは1年前にも行われたもので、今年は8期生が不参加。青海率いる9期生以降のメンバーが出演する。先輩の手を借りず、若手だけでやってみろ。運営からそう通告されたに等しい。

青海「去年までの私たちは、コンサートの準備は先輩方に任せきりで、『はい』以外に言うことはありませんでした。初めて若手だけに任せていただくことに不安があったけど、『新世代だからってなめんなよ』という気持ちで挑みました。SKE48の未来は明るいと思ってもらわないと意味がないですから」
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犬飼 華


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