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UPDATE|2022/09/22

村山彩希が語る、AKB48 10年で学んだこと「負の部分を見て人を好きになれるように」

村山彩希 撮影/河野優太

2011年に13期生としてAKB48に加入後、劇場公演に自らの活動意義を見出し、1000回以上の出演回数と懸ける情熱から“シアターの女神”と称されている村山彩希。今月8日に『1st写真集 普通が好き』(宝島社)を発売したばかりの彼女に、AKB48 10年で変化したことを聞いた。

【写真】活動11年目、村山彩希の撮りおろしカット【15点】

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「今にして思えば、当時の私は薄っぺらい人間でしたね」村山は、加入当初2011年のことをそう振り返る。

「AKB48に入った頃は頑固で、嫌いなものは嫌いという思いが強かった」

そんな村山が「めっちゃ変わる」きっかけをくれたのは、先輩・峯岸みなみだった。2013年、当時AKB48のシングル選抜常連として活躍していた峯岸みなみが研究生へと降格してくる。まだ入って1年半程度の村山にとっては雲の上の存在。だが……。

「みぃちゃん(峯岸)が研究生に降格してきてから深く関わるようになったんですけど、はじめは反抗期だったこともあり、『悪いことをして降格してきた先輩』だと思っていました。今にして思えば、当時の私は薄っぺらい人間でしたね」

峯岸が教えてくれたのは、「人の負の部分を知ると人間性が見えてきます。そうすると、好きになれる」ということ。「他人を受け入れることができるようになったことが、この10年で一番大きな変化だと思います」

その意識の変化は後輩メンバーにも向けられる。

「今年加入したばかりの17期研究生。最近、彼女たちのレッスンを見学したりしているのですが、踊れない子がいたとしても、それでもいいと思うようになりました。ここからどう成長していくか。そのことに遥かに大きな意味がありますから」

だが、成長を促すのは、優しさだけではなく厳しさも必要というのが村山流だ。17期生は今年9月に公演デビュー。当時を振り返る。

「ゲネプロが初見だったのですが、正直納得できませんでした。メンバーは満足していたかもしれないけど、彼女たちをしっかりとした形でステージに上げる体制が整っていないのではないかと感じたんです。プロとして責任を持ってステージに上げるのは、環境とか教え方に左右されますよね。私も研究生を経験していますから、今の彼女たちに言ってあげられることがあるのではないかと思って、ゲネプロが終わった後、5分だけ時間をもらって、ステージに上がるうえで大切なことを伝えました。

たぶん今の時代は褒めて伸ばす方がいいとは思うんです。でも、彼女たちがデビューする大切な日に欲しているのは、当たり障りのない言葉ではありません。自分の経験をもとにして、なんとか5分だけお話ししましたけど、上手に伝わっているかどうか……。少しだけですけど、牧野アンナさんの気持ちが分かった気がしました」

CREDIT

取材・文/犬飼華 撮影/河野優太


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