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UPDATE|2022/08/25

彼女がホストにハマった理由…月250万円で満たされる承認欲求、身体を売ってでも貢ぎ続けたい

『ホス狂い』  著:大泉りか 刊:鉄人社



「それが知られちゃったんです。風俗って給料が手渡しじゃないですか。給料袋をうっかり実家の母親に見られたことがあって。そこに源氏名とか、六十分なんぼとか、『オプション電マ』とか書いてあった。いつも駅で捨ててたんだけど、一回持って帰っちゃって、バッグに入れていたら漁られてバレました。

うちの親、過保護なんで、なんでも知りたい感じで『稼いでいるお金は何に使ってるの?』って言われて『ホストに使ってる』って言ったら怒られて。『自分の人生だからいいじゃん』って伝えたら、呆れて何も言わなくなったけど」

澪の私生活が変化する一方で、担当(指名しているホストをこう呼ぶ)のRの人気もまた出始めていた。月に250万ほど使うエースの澪を筆頭に、二番目の女性客が150~200万円、三番目が100万円以上は使う、三人体制が敷かれ、Rの売り上げを支えることとなったが、もちろんのこと同じホストを指名する「被り」である三人はバチバチで、その火の粉はSNSにも飛んだという。

「みんなSNSで匂わせるんですよね。Twitterのヘッダーを担当とのLINEにしたりチュープリ(キスをしている姿を撮ったプリクラ)にしたり。自分のほうが扱いがいい、金使ってるぞってことを知らせたい。もちろん、実際に店で鉢合わせた時には、マイク(ホストクラブには、シャンパンコールのあとに、女性客がマイクを持ち、ひと言スピーチする習わしがある)で煽る。『お金を使わないひとは帰ってください』とか(笑い)」

やがて澪の「頑張り」が担当に通じたのか――ホスト側の視点からすると、太客である澪をさらにがっちりと抱えようと考えたのかもしれないが……担当から澪は、同棲を申し込まれる。一緒に住むことになるが、それにも紆余曲折あった。


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