FOLLOW US

UPDATE|2022/08/27

HKT48から女優へ、神志那結衣がアイドル人生を語る「これが私の思い描いていた卒業の形」

HKT48 神志那結衣 (C)Mercury



「本当にいままで卒業していったメンバーの背中ってかっこよく見えたんですよ。だから、私はちゃんと後輩にかっこいい背中を見せられているのかなって、どうしようもないほど不安に襲われたりもしました。

たまたま卒業のタイミングがなっちゃん(松岡菜摘)と重なってしまったじゃないですか。なっちゃんは間違いなく素敵な背中を見せてきているんですよ。私、おもわずマネージャーさんに『今、私になにができるんですかね?』って聴いちゃいましたから(笑)。とにかく、今の私にできることは卒業にあまり浸りすぎずに、堂々と、キラキラとステージに立ち続けることなんでしょうね」

観客も神志那結衣の背中を見る機会があった。

7月23日に福岡市民会館で開催されたHKT48のコンサートでは、もうすぐ卒業していく松岡菜摘と神志那結衣に対してメンバーがサプライズを用意していた。

ふたりのためだけに全員で『今 君を想う』を歌う。

そのクライマックスはふたりが客席に背中を向けるようにして立ち、すべてのメンバーが歌っている姿を見てもらう、という演出だった。そのときに客席側から見た神志那結衣の背中は、本当に神々しかった。さっきまで、この背中を後輩たちはずっと見てきたのだ。なにも心配することなんてない。間違いなくかっこいい背中がそこにはあったのだから。

「あの曲は心に染みましたね。なんで、こんなにこの曲の歌詞って語りかけてくる感じなんだろうって。いままでに何度となく歌ってきて、もちろん歌詞の意味もわかってはいたんですけど、こうやって聴く側にまわるのははじめてだったので、また印象が変わって感じられたんですよね。それに最後はメンバーの表情も見えたので……本当はすごく感動していたんですけど、ここで私があんまり泣いてもいけないな、と思って必死で涙をこらえていました(苦笑)。

あの日は『Buddy』(神志那結衣のセンター曲)も歌わせていただいて。パッとメンバーの顔を見たときに(坂口)理子が泣いていたり、後輩の子たちのまなざしもいつもと違っていたので、そこで『あぁ、私、もうすぐここからいなくなるんだ』ってはじめて実感しました。それに『Buddy』の衣装を着るのもこれが最後になるんだろうなって考えたら、本当の意味でラストになる夜公演はグッとくるものがありましたね」

アイドルとして約10年間、活動してきた。48グループ黄金時代には大きなステージにも数えきれないぐらいあがってきたし、選抜総選挙での号泣からの手鏡を取り出して化粧直しをする衝撃的なパフォーマンスはゴールデンタイムでバッチリと生中継されて、彼女の顔と名前を全国区のものとした。アイドルとしてやり残したことはもうなにもない、という。

AUTHOR

小島 和宏


RECOMMENDED おすすめの記事