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UPDATE|2022/05/11

楽しいを更新し続ける“新生”HKT48全国ツアーの“仕掛け” 矢吹奈子&田中美久の存在感

田中美久(C)Mercury 



1期生の松岡菜摘が「もう後輩にすべて任せられる」とツアー前に語っていたが、まさにそれが現実のものとなっていた。ちなみに松岡菜摘は「必死になりすぎて忘れてしまったことがあるような気がする。なんにも考えないでひたすら楽しんでみようかな」とも語っていたが、まさにキレッキレでバッキバキのパフォーマンスでステージ上を伸びやかに舞っていた。この相乗効果はなかなか面白いものがある。

中盤には他のアーティストの楽曲をカバーするチャレンジコーナーも設けられたが、いわゆる歌うまメンバーだけでなく、さまざまなメンバーがトライ。それも1人1曲ではなく、他の公演では同じメンバーが別の曲にチャレンジしていたりもしている。これは相当なプレッシャーになりそうだが、ステージ上でコンサートを成立するためには歌声はより重要なパーツになってくる。これもまた新しいHKT48のコンサートの流儀、である。

座って見ているだけでも、十分、楽しくて満足感も高いツアーだが、初日に客席が高まったのが、本編のラストの楽曲のとき、矢吹奈子が「この曲だけ、みなさん立ちましょう!」と声をかけてくれた瞬間。もちろん、コールはできない。ペンライトも振れない。みんなで立ちあがって手拍子をしてください、というものだったが、2年半ものあいだ、コロナ禍で縛りつけられていた鎖から解き放たれたようで、本当に心が晴れた。メンバーが客席に降りていかなくても会場が一体となった喜び……やっぱりHKT48のコンサートは楽しい!

そして、5月からは田中美久が戻ってきた。

5月7日の熊本城ホールは田中美久の凱旋公演でもある(もうひとり田中伊桜莉も熊本出身で感無量の地元凱旋を果たした)。なこみくでセンターを務めた『早送りカレンダー』や、彼女のセンター曲である『君とどこかへ行きたい』は、やっぱりみくりんがいてこそ、なのである。回を重ねて、充実度が増していた内容に田中美久が加わったことで、このツアーの完成度はさらに高くなった。

しかし、熊本城ホールでのプラスアルファはこんなものではなかったのである。(後編へつづく)

【後編はこちら】最年少は10歳!HKT48の6期生お披露目に会場騒然、今村麻莉愛の選抜復帰にファン号泣
AUTHOR

小島 和宏


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