2017年にDDTプロレスとアップアップガールズがタッグを組んで結成された「歌って、踊って、闘える」アイドル・アップアップガールズ(プロレス)。結成当初、メンバーとして選ばれた3人も、アイドルとプロレスの両立、というその意味を真に理解していたとは言い難かった。それでも5年の間、リングとステージに真摯に向き合った彼女たちは確かに人生を変えた。メンバー3人に聞いたそれでもプロレスを続けた理由…3回目は、プロレスの知識ゼロで加入した渡辺未詩。「プロレスはこの世で一番優しい世界」と語る彼女が5年間で学んだものとは?
【写真】2人まとめてジャイアントスイングも話題に、試合中の渡辺未詩【12点】──渡辺未詩さんが、アプガ(プロレス)に応募したきっかけを聞かせてください。渡辺 私はアイドルが大好きで、プロレスは全然知らなかったんです。ちょうど高校3年生で就職活動を始めるかどうかの時期で、最後の挑戦って気持ちで応募したんです。“アイドル”って文字と“アプガ”って文字しか目に入ってなかったですね(笑)。プロレスの知識はほぼゼロで、なんとなく戦うっぽいくらいしかわからなかったんです。でも、ももクロさんとかAKB48さんの『豆腐プロレス』のドラマもあって、プロレスって言葉は聞いてはいたので、もしかしてアイドルとはそう遠くはないものかも?って思っていたんです(笑)。
──そんな未詩さんですが、アプガ(プロレス)の活動が始まってからはどんなことを思いましたか。渡辺 まずオーディション最終審査の段階でデビュー曲の「アッパーキック!」をいただいて、合格してあっという間に@JAM EXPOでアイドルデビューさせていただけたんです。何もわからないまま、気がついたらデビューできた!って喜びを感じていました(笑)。そのあとはひたすらプロレスの練習の日々だったんです。東京女子プロレスの試合を見て惹かれるものはめちゃくちゃあったんですけど、ゼロからのスタートだったのでプロレスデビューしてからしばらくは挫折し続けました。
──どんな部分に挫折を感じたんですか?渡辺 アイドルとプロレスを同時にやるって、まず自分が見てきたアイドルとは全然違うじゃないですか。だから、何が正解かがわからなかったんです。まだその頃は女性がジムに行くことが今ほど主流じゃなかったし、アプガだから鍛えるっていうのはわかっていたんですが、その目標がプロレスラーとして鍛えるってところだったので最初はちょっと抵抗がありました。どんな体作りが正解かもわからなくて不安でしたね。
──その後の未詩さんはバチバチに鍛えていきましたよね。渡辺 ハイ(笑)。でも、プロレスだからと言って誰もがバチバチに鍛えなきゃダメってことはないよっていうのをこの5年間でわかったんです。
──プロレスラーでも、スリムな選手から太い選手などいろんな方がいますしね。渡辺 そうなんです。それをわかった上で、私は鍛えることが自分の一番輝ける近道だと思ったんです。人にはそれぞれの輝き方があるよってことを伝えておきたいですね。