──なぜ、昭和をテーマに?
永尾 友達と行ったバーで、たまたま『黄昏流星群』(小学館)という漫画がラベルになったウイスキーボトルを見つけたんです。そこで初めて『黄昏流星群』を知って、実際に漫画を読んでみたら、昭和を舞台に熟年男女の恋愛やその年代ならではの悩みが描かれていて、すごく面白かったんですよね。次の写真集のテーマはコレだなと。即決でしたね。
──テーマ・昭和をノリノリで楽しんでいるのが、写真からひしひしと伝わってきましたよ。
永尾 私の昭和に対するイメージは、完全に想像でしかなかったんですけど、スタッフさんたちが当時を思い出しながら、いろいろ教えてくれたんです。例えば、一枚だけあるホットカーラーで髪を巻いているカット。昭和の女子高生は、こんな風にしておしゃれをしていたんだなぁと、昭和を擬似体験できたのは、ものすごく楽しかったですね。ただ、そのカットは男性スタッフさんのウケが良くなくて、一枚だけになってしまったんですけど(笑)。
──確かに、このカットだけやたらと生活感に溢れていますね。
永尾 そうなんですよ。これじゃ、男性ファンの方はそそられないですよね(笑)。
──昭和の世界観に染まった自分を見たときは、どう思いましたか?
永尾 聖子ちゃんカットは似合うか不安でしたけど、意外といい感じにハマってよかったです。逆に、ソバージュは馴染みが良すぎてあまりに自然だったからか、パチンコの外での撮影中、いろんな人に見られましたよ。さすがに恥ずかしかったなぁ。
──なかでも、特にしっくりときたシチュエーションは?
永尾 最後、スナックの外でタバコをふかしているシーンですかね。こんなママ、本当にいそうだなって思いました。3日間の撮影のうち最後に撮ったシーンだったので、みんな気を楽にして、スナックの雰囲気に浸っていましたね。