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UPDATE|2024/03/29

“推し”が不祥事を起こしたらどうする?作家・雨宮処凛が綴る「推しのやらかし」

ドキュメンタリー映画『成功したオタク』配給・宣伝:ALFAZBET 



さて、中学生にして「推しの逮捕」を経験した私だが、20代前半でさらなる荒波に飲まれる。それはX JAPANの「TOSHIの洗脳騒動」と「hideの死」だ。

もう、このことについては書き尽くせないが、私にとって「救い」となったのは、この時期、少々バンギャ熱が冷めていたことだ。今でも、「絶頂期にこれが来ていたら…」とふと思う。最悪、後追い自殺を試みたかもしれない。

以来、推しのV系ミュージシャン近辺で大きな事件はないが、最近は訃報が続いている。特に昨年はBUCK-TICK・櫻井敦司氏とX JAPAN・heathという大物の訃報が続いた。

気がつけば私もアラフィフ。10代から推している方々は還暦に近づきつつある。YOSHIKIなんて、「サザエさん」の磯野波平よりも年上だ。「万が一」を想像すると辛すぎるので、このところは常に「まだまだ死にそうにない、健康そのものの若いヴィジュアル系バンド」(世界観的にMVで血を吐いたりしているが)も推すようにしている。が、取り返しのつかないほどの「推しの不祥事」を体験していない私は幸せなのだということを、ある映画を見て最近、思い知らされた。

それは『成功したオタク』という、韓国の女性が撮ったドキュメンタリー映画。

「成功したオタク」=韓国語で「ソンドク」とは、推しに認知されたオタクだという。後編では、『成功したオタク』の監督に話を聞いた。

【後編はこちら】K-P0Pスターが性加害事件で逮捕…それでもファンを続けることは「二次加害」となる?

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