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UPDATE|2024/03/12

『不適切にもほどがある!』ローマの休日ならぬ“牢屋”の休日で描かれる恋模様、「金妻」オマージュは伏線!?

『不適切にもほどがある!』公式HPより

脚本:宮藤官九郎、主演:阿部サダヲによるTVドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の第7話が、3月8日に放送された。(以下、第7話のネタバレを含みます)

【関連写真】第7話に美容師のナオキ役で出演した岡田将生

令和的価値観と昭和的価値観のギャップを鮮やかに描いてきた本作だが、今回はちょっと毛色の違うストーリー。未来にやってきた純子(河合優実)が、実の娘である渚(仲里依紗)に連れられて美容院へ。そこで出会った美容師のナオキ(岡田将生)とイイ感じになり、そのままデートする流れになる。

スカイツリーの夜景に感動し、カラオケで昭和歌謡を歌いまくり、急速に二人の仲は接近していく。恋に落ちた二人の姿は、キラキラしていて眩しいほど。同じドラマとは思えないほど、王道すぎるくらいに王道なラブコメ展開なのである。

その一方で市郎(阿部サダヲ)は、プロデューサーの羽村(ファーストサマーウイカ)と一緒に、大御所脚本家エモケン(池田成志)との打ち合わせに参加。その席でエモケンは、「田舎から出てきた17歳の女子高生と若いWEBライターが恋に落ちるが、少女にはある秘密があって、決してその恋は成就しない」というプロットを披露する。一国の王女と新聞記者の許されない恋を描いた『ローマの休日』(1953年)を引き合いに出して。

そう、今回のエピソード「回収しなきゃダメですか?」は、オードリー・ヘプバーン主演の名作を参照した作りになっているのだ。『ローマの休日』には、アン王女が美容院で髪の毛を短くカットしてもらうシーンがある。そして彼女の美しさに感動した美容師のマリオは、アンをダンスパーティーに誘うのだが、ナオキ=美容師という設定はおそらくこのマリオを参考にしたのではないだろうか。

江ノ島でのデートを楽しんだ純子とナオキは、雰囲気の良いレストランで最後の食事をする。土曜日になれば彼女はバスに乗って昭和に戻らなくてはいけないのだ。ところがナオキがスマホを落としてしまったことで支払いができず、警察相手に暴れたことで純子は牢屋送りに(警察に捕まってしまうという展開も、思いっきり『ローマの休日』だ)。

警察からの連絡で市郎(阿部サダヲ)たちが純子を迎えに来るが、その寸前に二人は牢屋越しにキスを交わしていた。牢屋の休日=ローマの休日。まさかのダジャレで、宮藤官九郎は恋愛映画の名作にオマージュを捧げてみせたのである。

AUTHOR

竹島 ルイ


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