「今回の『解散ノート』もそうですが、本を出すんだったら、こんな人間が書いていると自分自身で伝えることができるから、表に出たほうがいいんじゃないかなと。そういう思いもあって、今の事務所に所属させていただいたんですが、そうすると執筆以外にも、いろいろやりたいことが思い付くんです」
BiSH解散後、シンガーソングライター・マナミとの音楽プロジェクト(momo)を始動、今年1月には東名阪ツアーも行い、好評を博した。
「歌詞を書くのがBiSHに入る前からの夢でしたし、BiSHの楽曲も17曲作詞したんですが、曲ありきで歌詞をつけるのが大前提だったので、詞先でやりたかったんですよね。それで歌詞が思いついたときに、これで曲を作ってくださいとBiSH時代から仲良くしていただいていたマナミさんに作曲をお願いしました。その時点で、世の中に発表するとか、ライブで披露するとかは一切考えていませんでした。でもBiSH解散後、新しいことを始めようと思ったことが、(momo)に繋がっていきました」
曲先と詞先では、おのずと作詞のスタンスも変わった。
「曲先の場合、いただいたデモに合わせて歌詞を書くから、ノートに書いた言葉をそのまま使うのは違うなと。あくまで曲から生まれた言葉が大切なんです。詞先は自分のわがままな歌詞を、そのまま曲にしてもらえるので、出来上がるのも楽しみだし、マナミさんはBiSH時代から私を見守ってくださっているので、安心して作曲をお願いできます」
東名阪ツアーでは、歌と朗読を交互に披露した。
「最初は詞先で曲を書いてもらいたいだけだったので、自分で歌わなくてもいいぐらいの気持ちでした。でもマナミさんが『モモちゃんは声が良いから、自分で歌ってみなよ』と言ってくださったんです。朗読・曲・朗読・曲という新しいスタイルにして。やっぱり言葉が好きだし、自分の言葉でライブを構成するのが夢だったのでうれしかったです」
解散後、BiSHのメンバーとは、ほとんど会うことがないという。
「解散後にメンバーと会ったのは、ハシヤスメ・アツコのラジオに呼んでもらったのと、MISATO ANDO(元リンリン)に『解散ノート』を手渡したぐらい。『解散ノート』の発売記念イベントに、対談相手としてアイナ・ジ・エンドに来てもらいましたけど、アイナに会ったのも解散以来でしたからね。だけど今、昔を懐かしんでばかりいてもしょうがないみたいな気持ちもあるんですよね。胸を張って言える活動ができているのかも分からないので、まだ会わなくてもいいのかなって思います。一人で静かに過ごすのも好きなので、めちゃめちゃ寂しいとかはないんですけど、ふと同じ目標に向かって頑張ったメンバーがいたのは心強いことだったんだなって思うときもあります」
顔を合わせなくても、メンバーそれぞれの活動は刺激になっている。