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UPDATE|2024/02/20

『不適切にもほどがある!』SNSで話題のドラマが問いかける、脱・SNS依存症

『不適切にもほどがある!』公式HPより

脚本:宮藤官九郎、主演:阿部サダヲによるTVドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の第4話が、2月16日に放送された。(以下、これまで放送されたドラマのネタバレを含みます)

【関連写真】『不適切にもほどがある!』第3話で、昭和の深夜番組のMCを演じた秋山竜次【4点】

市郎(阿部サダヲ)と渚(仲里依紗)の2人が何やらいい感じになり、その流れでキスしようとすると、強力な静電気のようなビリビリが発生。キヨシ(坂元愛登)が同級生の井上(中田理智)に告白され、彼が中学生時代の自分の父親であることを知らずにキスしようとした時も、謎のビリビリが流れた。

どうやらこの世界は、タイムパラドックスの原因となりそうなものは、見えざる力によって阻害されるシステムであるらしい。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のように、過去への介入によって“未来は変えられる”系ドラマなのではなく、“決められた未来は変えられない”系ドラマなのだ。この設定は、終盤にかけて大きな意味を持ってくるだろう。

第1話から謎だった、「喫茶店のトイレにあった空洞を使って、1986年と2024年を行き来できるのはなぜか?」という件についても、タイムマシン開発者の井上教授(三宅弘城)と一緒に議論するが、これについては分からずじまい。時空の裂け目が、ピンポイントでここに発生したのだろうか。ひょっとしたら今後は、喫茶&バー すきゃんだるのマスター(袴田吉彦)が大きな役割を担っていくのかも。

今回の第4話は、再びEBSテレビのカウンセラーとして勤務することになった市郎の元に、様々な悩みが寄せられる…というのが本筋。プロデューサーの関根(池田鉄洋)からは、新しいドラマのタイトル『俺たちのチアリーダー』が、「ホモソーシャル的で、女性を排除している」というクレームがついた相談を受ける。

『おれは男だ!』、『男女7人夏物語』、『科捜研の女』というタイトルを引き合いに出して、何がコンプラ的にセーフで何がアウトなのか、というやりとりがコミカルに描かれるのだが(そして結局ドラマのタイトルは、『あの日、眩しかった君へ』に変更される)、このようなシーンを見ていると、宮藤官九郎は昭和/令和のギャップを炙り出すことが主眼なのではなく、「今の時代に面白いテレビ番組を作るにはどうすればいいのか」という想いをこの作品にぶつけているような印象を受ける。

インティマシーコーディネーターのケイティ池田(トリンドル玲奈)が、露出が多いと文句を言うマネージャーと俳優とのあいだで板挟みになるシーンも象徴的。インティマシーコーディネーターの役割は、俳優の精神的・肉体的不安を理解して、その尊厳を守ること。決して、(結果的にそうなったとしても)肌の露出を減らすこと自体が仕事ではないのだ。

AUTHOR

竹島 ルイ


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