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UPDATE|2024/02/13

“八嶋智人無双”が炸裂『不適切にもほどがある!』が鮮やかに描き出す昭和と令和のコンプラ

『不適切にもほどがある!』公式HPより

脚本:宮藤官九郎、主演:阿部サダヲによるTVドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の第3話が、2月9日に放送された。

【関連写真】『不適切にもほどがある!』第3話で、昭和の深夜番組のMCを演じる秋山竜次【4点】

今回のエピソードには、サカエ(吉田羊)の夫であり、キヨシ(坂元愛登)の父であり、市郎(阿部サダヲ)の教え子でもある井上昌和教授(三宅弘城)が登場(第2話では写真のみの登場だった)。タイムマシンの開発者の彼は、タイムパラドックスによって引き起こされる未来への影響を渚(仲里依紗)と睦実(磯村勇斗)に薄ぼんやり語るが、本当に薄ぼんやりとしているので、どんな問題が発生するのか、さっぱりよく分からない。

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場するデロリアンに影響されてバス型タイムマシンを作ったくらいだから、写真に写っている人物がタイムパラドックスの影響でどんどん薄くなっていって、この世界から消滅してしまう…みたいな展開は、今後あり得そうだ。なにしろ2024年から1986年にタイムスリップしたキヨシと、その時代に生きている中学生時代の父・井上が親友になってしまうという、タイムパラドックス確定の事態が発生しているのだから。

だが、第3話の実質的なメイン・キャラクターは、八嶋智人だろう。第2話では渚に、「あの人(飛行機の)エコノミーでも文句言わなそうじゃん。でもビジネスだと喜びそうじゃん」と名指しで言われていた出オチキャラだったが、今回は八面六臂の活躍。情報番組「プレサタ」のMC堤ケンゴ(ロバート 山本博)の代理として、突然の要請にも関わらず華麗な進行を務める。

立て板に水を流すようなマスター・オブ・セレモニーっぷりは、まさに八嶋無双。思い返してみれば、彼が全国区の知名度を得たのはバラエティ番組『トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜』だった。俳優なのに「番組を何とか成立させてやる」というスピリットは、そこから育まれたものなのだろう。いや、知らんけど。

八嶋智人が八嶋智人を演じるというのも面白い発想だが、実はドラマで彼が宣伝していた劇団カムカムミニキーナ の「かむやらい」という舞台も、実際に2月12日まで公演していた本当のお芝居(大阪公演は2月17日〜18日)。本人もX(旧Twitter)で宮藤官九郎に謝辞を述べていたが、こういう遊び心がクドカン・ドラマの魅力。『不適切にもほどがある!』、とにかくエンタメ精神が満載で楽しい。

AUTHOR

竹島 ルイ


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