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UPDATE|2023/05/12

『推し武道』松村沙友理✕平尾アウリ先生対談「アイドルが塩だったとき心折れませんでした?」

松村沙友理、平尾アウリ 撮影/田中健児


──鮭も選ばれて本望ですね(笑)。松村さんは、印象に残る場面やセリフなどはありますか?

松村 私、乃木坂46時代、ずっと、「あなたがいるから生きていける・頑張れる」という言葉が、正直なところ上手く理解できていなかったんです。逆に私は「アイドルはファンあっての存在、ファンの方がいなければ私には存在価値がない」と思ってきて。私こそファンの方からたくさんパワーをいただいているのに、どうしてそう思ってくださるんだろうと、ずっと不思議で。

平尾 なるほど……。

松村 それが、えりぴよを演じて初めてわかった気がしたんです。舞菜ちゃんが頑張る姿を見て「私も頑張ろう!」と勇気づけられたし、自分の働いたお金が舞菜ちゃんの応援に繋がって舞菜ちゃんが輝くのなら、なんでもできる!と本当に思えて。ああ、本当に推しの存在が自分の生きる力になるんだ……と、アイドルとファンの素晴らしい関係を、『推し武道』を読んで、えりぴよを演じて、初めて理解できた気がしたんです。

平尾 えぇ~! そうなんですね。実際あの場面は、「過去の推しの存在のおかげで私も生きてこられた」と思い出しながら描いていたんです。正直、当時の私は「私はどうなってもいいから、この子には輝ける未来が待っていてほしい」と考えていて、その気持ちをそのまま入れ込みました。

松村 本当にアイドルの想いもファンの想いも、すごくキレイにたくさん詰まった作品ですね。実は、えりぴよ役のお話をいただいたころは、自分の演技の形に悩んでいたんです。そう悩む中でも「私が絶対にやりたい!」と思える作品でしたし、私は『推し武道』のおかげで改めて「アイドルとしての私があったから、この人生を歩めている」と思えたので、この先の人生もずっと私にとっての大切な作品です。至らなさがたくさんあって申し訳ありませんが、愛と想いはたくさん込めたので、先生にその想いが届いたらいいなあって(ニコニコ)。

平尾 ああ~……もう嬉しすぎる、届いています、感無量です。

【前編はこちら】松村沙友理×『推し武道』原作・平尾アウリ 劇場版公開記念対談「漫画を描いてきてよかった」

▽『劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ』
5月12日(金)全国ロードショー
AUTHOR

田口 俊輔


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