次世代を担うイケメンホストから結成されたボーイズグループ、KG9(ケージーナイン)がついに本格始動する。このプロジェクトはKGプロデュースという日本最大級のホストグループによって開催された、日本初、もはや世界初のホストアイドルを作るという前代未聞の挑戦。メンバーは夜の世界での1000万プレイヤーたちだ。そんな異例のアイドルに注目したのが、普段AKB48グループやももいろクローバーZなどを取材する、元週刊プロレスの小島和宏記者。一体、どんなイケメンアイドルが誕生したのだろうか(前後編の前編)。
【写真】ホストアイドル・KG9(ケージーナイン)のビジュアルようやくエンターテインメントの世界に『コロナ前』の日常が、徐々にではあるが戻りはじめてきた。
コンサートでは観客の声出しがマスク着用の条件つきながら解禁され、アイドルのファンサービスの王道だった握手会もマスクあり、ビニール手袋ありで復活。なにもかも元通り、というわけではないるが、この3年間、ひたすら我慢に我慢を重ねてきたファンにとっては、大きな大きな前進になる。
アイドルの取材をすることが多いのでコロナ禍でいろいろ考えた。卒業していったアイドルたちは、この状況を受け止めつつも、みんな『でも、やっぱり最後はファンのみなさんの声を聞きたかった』と悔しがった。まさに「失われた3年間」である。
握手会もできない、コンサートでもコールを飛ばせない。コロナ禍でさまざまな制限があるなか、逆にまったく新しい楽しさや喜びを作り出すことはできないものか? 考えれば考えるほど、これまでのアイドル応援文化がよくできたものであることを痛感した。
そもそも握手会はあくまでもオマケだった。それがAKB48グループが巨大化していくにつれて変容。神対応、塩対応という言葉も生まれ、神対応で人気を掴んだメンバーが、そのままステージでもブレイクしていくようになった。
そんな握手会ができなくなった世界線で、ファンサービスってなんだろう? と考えこんでいたとき、ある異色のアイドルグループを紹介された。
それがKG9(ケージーナイン)である。
じつは彼らは現役の人気ホスト。まぁ、ここまでならさほど珍しくない話だ。人気どころを集めれば、ビジュアル的にレベルの高いグループは作れるし、いわゆる企画モノとしてはすぐに成立する。なんなら手売りすれば、CDはバカ売れ必至である。
だがKG9はそういったイージーな方策を選らばなかった。このグループを仕掛けた日本最大級のホストグループ・KGプロデュースは、昨年の春、2回に渡ってオーディションを開催。75名ものホストが参加したが、選考基準でもっとも重点を置いたのは自己PR力だった。ただただ人気者を集めるのではなく、やる気のある者、新しいものを生み出す力がありそうな者を探しだす作業からはじめたのだ。
さらにすぐデビューをさせるのではなく、半年以上の準備期間を設けて、しっかりと歌とダンスのレッスンを積ませている。これはスキルを身につけるためであるのはもちろんのこと、彼らに地味で辛い下積みの日々を味あわせる、という意味合いもあった。