FOLLOW US

UPDATE|2023/02/05

『チェンソーマン』米津玄師、『SPY×FAMILY』髭男…アニメ主題歌をトップアーティストが手掛ける理由

米津玄師『KICK BACK』、Official髭男dism『ミックスナッツ』、GReeeeN『ジュブナイル』



しかし、『チェンソーマン』の音楽面での話題作りが凄かったのは、米津のオープニングテーマだけではない。エンディングテーマが毎週変わるという点もかなり刺激的であった。第1話のエンディングテーマをVaundyが担当し、以降も、マキシマム ザ ホルモン、TK from 凛として時雨、女王蜂…といったフェス好き・ロック好きにはたまらないアーティスト達が集結。それぞれが、わずか1回のオンエアのためだけに、『チェンソーマン』の世界観を表現したエンディングテーマを歌ったのだ。

これだけの壮大な主題歌プロジェクトを実現出来たのは、もちろん、原作のパワーと人気があったからこそ。マンガ・アニメが大好きなアーティストも多いので、アーティスト達も面白がって、この企画に参加したのだろう。いつの日か、主題歌を歌ったアーティストが出演し、アニメ映像と共にライブが楽しめるような「チェンソーマン・ロックフェス」が開催されることに期待したい。

さて、ここからは、2023年1月クールのアニメ主題歌にも注目しよう。今期は、『東京リベンジャーズ』の最新作が話題だ。現在放送中の“聖夜決戦編”のオープニング主題歌は、またまたOfficial髭男dismが担当。前作の主題歌『Cry Baby』とは異なるアプローチで、作品に彩りを添えている。そして、エンディング主題歌は、3人組新人ユニットのツユが担当している。既にヒットを連発している人気アーティストが主題歌を歌うワクワク感ももちろんあるのだが、作品とともに新人アーティストが成長し、ブレイクしてゆく様を見守っていくことも、アニメファンと音楽ファン双方にとっての楽しみだ。そういう意味で、今年は是非、ツユに注目して欲しい。

さらに、今期の『大雪海のカイナ』という作品では、オープニングをヨルシカが、エンディングをGReeeeNが担当。GReeeeNは、このアニメのために『ジュブナイル』という楽曲を書き下ろした。また、『NieR:Automata Ver1.1a』では、オープニングをAimerが、エンディングをamazarashiが担当している。その他にも、FIVE NEW OLDやHakubiといったブレイクが期待される若手バンドが主題歌を担当していたり、中島美嘉や阿部真央、家入レオといった女性シンガーが主題歌を担当したりしているアニメもある。

原作マンガが好きだから、好きな声優が出ているから…という理由で作品をチェックするのも良いが、好きなアーティストが主題歌を歌っているということをキッカケに、作品に入ってみるのも面白いかも知れない。そして、今年の終りに、「令和5年アニソン大賞」を獲得するアーティストは誰なのか?そんなことを考えながら、クール毎に主題歌をチェックするのも楽しそうだ。

【あわせて読む】Adoだけじゃない、2023年注目の“素顔を見せない”ミステリアスなアーティスト3組
AUTHOR

南 喜一


RECOMMENDED おすすめの記事