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UPDATE|2022/09/29

「令和の大仁田劇場」開幕、元週刊プロレス記者が語る“怒っている”大仁田厚と緊迫の一騎打ち

大仁田厚と小島和宏



イベント発表から開催当日まで約1か月間。主催者側からは「こうなったら開催まで大仁田さんと会わないでください、連絡もとらないでください」という要請があったので、まったくコミュニケーションはとっていない。開催5日前にはweb上で大仁田からのビデオメッセージが公開されたが、なんと、その時点で大仁田は「まだ本を読んでいない」と公言している。うわぁ〜、と思いつつも、逆にこのまま本を読まないでいてくれたほうがイベントはやりやすいな、とも感じていた。なんとなくではあるが、大仁田が本を読まないままステージに立つことを想定した上での質問案やイベントの構成も出来上がっていたのだが、イベント前日、ついに大仁田は本を開いてしまったのである。

その結果が冒頭の連絡につながってくる。どう考えても大仁田は怒っている。それを確信したのはイベント開始前の打ち合わせすら拒絶されたとき。いったいなにについて反論したいのかも明かさないまま、ステージで対面しよう、というのだ。

これには参った。怒りの要因がわかれば、まだ対処のしようがあるが、まったくのヒントがないのだから、ヘタをすると特大級の地雷を踏んで、ステージ上で激怒される可能性もある。シャレでつけた「言論地雷爆破デスマッチ」というタイトルが、とてつもないリアリティーを伴って僕にのしかかってきた(当初は大仁田に地雷を踏ませる気マンマンだったのだが……)。

結局、大仁田は開演時間まで姿を現さなかった。まさに僕がステージに上がる寸前になって、ようやく会場入りしたのだが、当然、言葉を交わす時間はなかった。頭の中では、かつてテレビ朝日の真鍋アナウンサーと繰り広げていた『大仁田劇場』の光景がグルングルンと駆けめぐっていた。数分後、僕はステージ上で首根っこを掴まれ「小島―っ!」と怒鳴られるかもしれない。いや、きっと、そうなる……令和になってから、もっとも気持ちの重たい時間が流れていた。(後編へつづく)

【後編はこちら】「リングに上がってこい!」大仁田厚がファンキー加藤を挑発、元週刊プロレス記者が一部始終を明かす
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小島 和宏


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