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UPDATE|2022/06/14

現役引退25年・工藤めぐみが語るレスラーにとっての“入場テーマ曲”「自分の歴史にリンクしている」

現役引退25年・工藤めぐみ



あれから、今年でちょうど25年。四半世紀に渡って、彼女はプロレスラーとして復帰していない。当たり前のことなのかもしれないが、いまだに根強い人気を誇っている(ここ数年だけでも何度かイベントで共演させていただいたが、その集客力にはちょっとびっくりしてしまった)工藤めぐみが一度たりとも復帰していないというのは、じつはものすごいレアケースなのである。

工藤めぐみの場合、もちろん過酷なデスマッチで満身創痍ではあったが、大きなケガや病気が理由で引退をしたわけではない。すべてをやりきった、という充足感を抱いての引退。そして、過去に全日本女子プロレスに入団し、2年足らずで退団してしまったという経験から「二度目はない」という自身への戒めもあって、プロレスラーとしてリングに戻ることをよしとしなかった。

「だから、ちょっと体調を崩したりすると『あぁ、現役時代じゃなくてよかったなぁ〜』っていまだに思いますよ。しっかりとプロレスラー人生を駆け抜けることができて、本当によかったです」

そう語ってくれた工藤めぐみ。現在、彼女はプロレス団体『ZERO1』のゼネラルマネージャーを務めている。だからタイトルマッチセレモニーのときや、なにか大きなインフォメーションがあるときにはリングに上がることもあるのだが、そこで現役時代と大きく違いを感じたのが「入場テーマ曲の響き」だという。

「現役時代はそれこそ毎日、聴いていましたけど、引退したらまったく聴く機会がなくなるじゃないですか? でも、ゼネラルマネージャーとしてリングに上がるときにかけていただくと『うわぁ〜!』って、当時の思い出がイッキに甦ってくるんですよ。試合前の緊張感だとか、あのころにあった出来事とかが音楽で引き出されるんですよね。

でも、あくまでも『懐かしい』であって、現役時代に全身に響いていた感覚とはまったく違う。曲自体は同じものなのに、なんか不思議ですよね」

AUTHOR

小島 和宏


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