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UPDATE|2022/06/04

『だいしきゅーだいしゅきー』はTikTokでなぜバズったのか? 戦慄かなの&頓知気さきなの王道回帰

femme fatale『だいしきゅーだいしゅきー』


ちなみに作詞・作曲を担ったミュージシャンの佐々木喫茶はYouTubeに「可愛い曲(だいしきゅーだいしゅき)の作り方」とのショート動画をアップしているが、その趣旨も「かわいい」を連呼したようなもので、徹頭徹尾可愛さにこだわった1曲のようだ。femme fataleの2人も振りコピをしてもらうべくTikTokなどに動画を投稿していたが、ここまでのブレイクはファンも予想していただろうか。

戦慄と頓知気による「完全セルフプロデュースユニット」のfemme fataleの結成は2018年にさかのぼる。少年院から出所した戦慄が妹の頓知気の可愛さに触発されて結成されたというグループは、戦慄を「可愛い担当」、頓知気を「もっと可愛い担当」として当初はロリータ的なキュートさが前面に出ていた。しかし当時戦慄はZOCに所蔵し、頓知気はミスiD2019や青春学園3年C組の活動と並行しており、個人の活動の方が世間での知名度は高かった。

戦慄と頓知気の個人活動が以前よりトーンダウンしてきた2020年頃から活動の軸はSNSや動画サイトに移り、femme fataleはクール路線にシフトしたかのような楽曲をリリースしていた。2ndシングル収録の『鼓動/ピューピル』はサイバーな世界観に仕上がり、特に『ピューピル』にはディスコサウンドを活かしてアーバンな雰囲気すらただよう。続く3rdシングルの『Club moon/Cupid』は水曜日のカンパネラ・ケンモチヒデフミのサウンドプロデュースによるもので、ゲームソングのトラックメーカーとしても活躍中のケンモチらしい打ち込みサウンドを活かし、戦慄と頓知気の、さほど笑わない無機質なパフォーマンスがみどころだった。

しかし『だいしきゅーだいしゅき』では一転、MVでは表情豊かに踊る2人の姿が見られるし、TikTokやYouTubeで振り付け動画を配信している姿にも2人の素の一面が垣間見える。

性格は正反対で、幼少期はよく喧嘩していたという戦慄と頓知気だが、それがかえってアイドルとしては影を抱えた姉に、正統派の妹として互いの個性やイメージが重複せずにぴたりとはまってきた。

様々な活動を模索し、特に姉の戦慄は波乱尽くしの人生を送ってきたfemme fatale。しかし『だいしきゅーだいしゅき』ではそんな苦労も感じさせない王道アイドルぶりを発揮している。そこにはセルフプロデュースユニットながら4年間チャレンジを続けてきた芯の強さも感じさせ、2人のさらなる飛躍の土台にもなりそうだ。


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