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UPDATE|2022/05/28

運動神経も身長も劣っていた、それでもKAIRIがWWEで成功した理由「渡米直後は毎日涙」

撮影/関根いおん


──難しいものですね。

KAIRI 結局、カリスマ性を得るためには、「人と比べることなく、自分にしかない長所を爆発的に伸ばす」なのかなと。全部をバランスよく整えようとしても駄目な気がします。私の場合、近くにASUKAさんと(中邑)真輔さんがいたので、そこから学んだことも多かったですね。カリスマって崇拝される対象ですからね。いかに唯一無二の存在になっていくのか? それにはまず自分自身が自らを信じきって、狂ったくらいの勢いで独自の世界に入り込むことが求められるのかなって。

──狂うくらいの勢いで独自の世界に入り込む、それはトレーニングによってできるようになるものですか?

KAIRI 私の場合はですが、下ろすという作業はあるかもしれません。これは私が取得した資格、スポーツメンタルトレーナーになる上でも学んだ、試合前のメンタルコントロールに有効的な方法です。

──「下ろす」とは?

KAIRI 例えば、私は3月の両国大会で久しぶりに日本復帰したとき、右に羽生結弦君が、左に漫画『キングダム』の主人公の信君がいるイメージで入場したんです。羽生君や信君がプレッシャーでガクガク震えるなんてありえないじゃないですか。むしろニヤニヤ笑うくらいの余裕がありますよね。羽生君と信君から「俺らと闘いにいこうぜ」って誘われているんだから、私も堂々と自分の世界に入れる、そんなイメージです。(笑)

──おっしゃることは伝わりますが、実践するのはすごく難しそうです……(笑)。さて、時間もなくなってきたので、最後に改めてお聞きしたいのですが、一流の選手が群雄割拠する中、なぜKAIRI選手は成功したのか? ご自身では、どのように分析されますか?

KAIRI 自分のことだから見えづらい部分もあるんですけど、よく他の選手に言われたのは「KAIRIの試合は応援したくなるんだよね」ということ。「思わず泣いた」って言われたこともありますね。同業者からそんなふうに言われることってなかなか無いと思うので心の底から嬉しかったです。身体も小さいし、一生懸命やっていることで伝わることはあったのかなとは思います。

【前編はこちらから】WWEから日本復帰・女子プロレスラーKAIRIが語る「カムバックを後押しした2つの“財産”」
AUTHOR

小野田 衛


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