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UPDATE|2021/12/30

“コロナの女王”岡田晴恵が叩かれるリスク冒してまでテレビに出続けた理由「対策を提言する必要性があった」

岡田晴恵 撮影/松山勇樹



岡田 そういう先生方に関しては、「私なんかより先生が出たほうがいいですよ」と直にお願いして、発言をして欲しいと頼んだことは何度もあります。だけど、すでに定年退職されたり、現役ではないですからね。70歳を超えて公的機関に役職を維持して残っている先生もいるけど、逆に65歳で定年で、スパっと後進に譲って、潔く身を引く人だっている。そういう上の立場の先生方は表には出てこない。そこは生き方の問題じゃないですか。

それに先生の中には、感染研のセンター長時代に散々ウイルスの危険性を訴えて対策の推進を訴えてきたけど、「そんなの何十年に1回の話だから」という、楽観視しかしない同僚の他の専門家の安直な言葉でかき消されて、嫌気がさしたという方もおられました。

その何十年に一度と楽観視をした先生の方が70歳過ぎても残って、そして、何十年に一回のパンデミックが来て、日本も緊急事態宣言になって、経済も困っている訳ですが。そもそも、感染症対策と経済対策は一緒なんです。流行を起こさないことで、緊急事態宣言を回避して、自粛に追い込まれることなく経済を守ることが感染症対策の側面でもあるのですから。ベクトルは同じなんです。

──なるほど。あと感染症学という専門分野を一般視聴者に噛み砕いて説明できる人が限られているいるのかもしれませんね。

岡田 実際、難解なウイルス学とか免疫学を一般の人に教えるのってなかなか難しいんです。さらに、個人の感染症対策から、一国のパンデミック対策まで論じないといけない。SNSで叩かれたりするリスクもありますし。それを自分から進んでやろうという人はなかなかいないと思います。それだったら自分の研究をしていたほうがいいと考えるのも普通でしょう。

でも、それでは先を見て対策を打つということにはなかなか至らない。感染症対策は、早く、強く、短くなんです。先を見て、対策を提言する必要性があり、それには、たまたま私はその枠にあったということかもしれません。

──岡田先生がテレビに出始めた頃、服装や髪型も話題になりました。きれいになったという、SNSの書き込みもあります。イメージチェンジをされたとか、何かご自身で積極的にやられたことがあったのですか?

AUTHOR

小野田 衛


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