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UPDATE|2024/03/29

K-P0Pスターが性加害事件で逮捕…それでもファンを続けることは「二次加害」となる?

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「16年あたりからMeTooの動きが出てきて、韓国でフェミニズムが活発になりました。その辺りから、スターの犯罪というのが次々と明かされるようになったんです。19年にはバーニングサン事件が起きました」

これが決定打となったようだ。ちなみにバーニングサン事件とは、BIGBANGのメンバーだったV.Iなど、多くのアイドルが関係していた事件。これによってV.Iは売春斡旋などで実刑判決。ちなみにオ・セヨン監督の推しだった歌手のチョン・ジュニョンはV.Iと親しい仲で、この事件で集団性暴行などで逮捕、実刑判決を受けている。韓国の芸能界を震撼させる大スキャンダルだったのだ。

「これによって、ファンが拒否反応を示すのは当たり前という風潮になりました。もしその人のことが引き続き好きだったとしても、他の人には言えない雰囲気がありますね。『そんな人、どうしてまだ好きなの?』『あなたは女性の権利を踏みにじるの?』って感じになります」

ネット上のチョン・ジュニョンの「ファンカフェ」には数万人の会員がいたが、事件後は続々と退会、数十人しか残っていないという。

オ・セヨン監督によると、「ファンを続けること」が「二次加害」となるという意識は、「韓国では特別なことではない」とのこと。

ちなみに映画には監督のお母さんも登場するのだが、お母さんは「推し」の俳優を自殺で亡くした身。教授として在籍していた大学で学生たちにセクハラをした疑いで警察の調査を控えていた中での死だったという。

映画では「お母さんの推しの死」ということで、かなり昔の話かと勝手に思っていた。が、インタビューで自殺はいつ頃か聞いてみると、18年とのこと。MeTooの動きが盛んになって以降のことだ。

話していて感じたのは、日本も韓国もMeToo以降、状況が激変したということだ。

10年前、20年前だったら芸能人への告発があろうとも握りつぶされ、またはスルーされるということが多かった。が、今はそうではない。一方、この数年は日本でも映画業界の性加害への告発が続いている。今年2月には、準強姦の疑いで映画監督の榊英雄氏が逮捕された。

オ・セヨン監督は、推しの裁判も傍聴している。そんな推しに下された判決は、懲役5年。もうそろそろ出所してくる頃だという。


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