FOLLOW US

UPDATE|2024/03/21

『不適切にもほどがある!』8話、炎上問題に対するクドカンの本音とは?

『不適切にもほどがある!』公式HPより



その帰り道、釈然としない倉持は思わず「言っていいのかな。あの人たち関係ないですよね」と口にする。倉持の不倫は倉持家の問題だし、栗田の不倫は栗田家の問題のはず。このようなテーマでかならず俎上に載せられる、当事者性・非当事者性だ。

だが筆者の個人的意見を言うならば、あからさまに非当事者が口出しするものではない不倫というイシューを引っ張り出して、「これがバッシングの実態です」と栗田に言わせてしまうのは、あまりにもキャンセル・カルチャーの単純化・矮小化に繋がるのではないだろうか。当事者でなくても、もしくはたった一度の過ちであっても、許容することはできない事案が存在するとして、その境界線に対して宮藤官九郎はどのような回答を(あくまでドラマとして)示すのか、筆者はそれを知りたかった。

第3話では、「セクハラのガイドラインはどこ?」という疑問に対し、市郎が「相手を自分の子供だと思えばいいんじゃないか?」とひとつの提案を示している。その意見に対して、SNS上では異論・反論も巻き起こった。そのような反応があることを理解した上で、クドカンはひとつの考え方を提示したのだろう。第8話もそのような斬り込み方ができる題材だっただけに、少し残念に感じる。

ラストにはキョンキョンが登場して(そして五十代のムッチ先輩として彦摩呂まで登場して)、いよいよラストスパートを予感させる展開になってきた『不適切にもほどがある!』。破天荒ドラマの行く先はどこなのか、期待して次エピソードを待とう。

【あわせて読む】『不適切にもほどがある!』ローマの休日ならぬ“牢屋”の休日で描かれる恋模様、「金妻」オマージュは伏線!?
AUTHOR

竹島 ルイ


RECOMMENDED おすすめの記事