FOLLOW US

UPDATE|2024/03/24

#ネオ昭和 インフルエンサー・阪田マリンが語る、昭和の魅力「便利すぎない“不完全の中の美しさ”」

阪田マリンX(@marin_syowasuki)より/撮影:ウィリアム・セナ



「昭和には全員に“未来”があったような気がするんですよ。『この先は明るいぞ!』って、みんながみんなでこの先の人生を盛り上げていこうというイメージを持っていて。なんというか、今って『自分さえよければ』の人が多く、そもそも時代に活気がないからか目に光がない。電車に乗っていても、みんな下向いてスマホ触るだけで、周りを一切見ていない。すごく人と人との関係が寂しくなっている気がするんです。

昭和は技術が発達していないからこそ、人と顔を合わせることを大切にしていた気がしています。だって『昭和の電車の中』と調べると、みんなで楽しそうに話している姿が出てきますからね。LINEやSNSやと、相手の表情がどうなのかサッパリわからない。人との繋がりの面で、やっぱ昭和の方が豊かでいいなあと思っちゃいますね」

こうした利便性がもたらす悪影響にウンザリし、高校時代には担任に1か月以上に渡り携帯電話を預けたこともある。現代人にとって、ましてや10代の時分において、もはや体の一部と言ってもいい携帯電話を手放すことで、阪田は大きな学びを得たという。

「学校でも家にいても暇さえあれば携帯を見ちゃうんです。その瞬間は良いかもしれないけれど、結局はムダな時間になっちゃう。これは悪い影響だ、そんな生活ダメだ!と、先生に『机に入れて預かっておいてください』とお願いしたんです。友だちに不便じゃない?と聞かれたのですが、全然余裕でした。むしろ空いた時間は、『ブラックジャック』を読んだりレコードを聴いたりと、有意義かつゆったりとした時間を過ごせたんです。

このときに、この時代が目まぐるしくて息苦しく感じるのは、全部スマホのせいなんだなと実感しました。あまりにも何でもできてしまうからこそ、色々なものを奪っていくなあって。正直な話、仕事上必須の今でも時折投げ捨てたくなる瞬間があります。なので、すでに老後は携帯を捨てる人生にしようと決めているんですよ(笑)」

(取材・文/田口俊輔)
AUTHOR

田口 俊輔

CREDIT

撮影/荻原大志


RECOMMENDED おすすめの記事