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UPDATE|2024/03/24

#ネオ昭和 インフルエンサー・阪田マリンが語る、昭和の魅力「便利すぎない“不完全の中の美しさ”」

阪田マリンX(@marin_syowasuki)より/撮影:ウィリアム・セナ



「発信を続けていたら、私のことを面白がってくれる方々がお声掛けくださって。もっと昭和の良さが広がればいいと思っていましたし、自分の好きなものを発信できるお仕事って素晴らしい!と思い、今は様々なことに挑戦中です」

昭和の魅力について問うと、阪田は「一言で言い表すのが難しいですが」と前置きし、「不完全の中の美しさ」と語った。文化とは人がより便利になるために発達していくものだが、阪田からすれば、その便利さが人の成長を止めているという。

「便利すぎると感情の上がり下がりがなくなって、平坦な人になる気がしていて。例えば部屋の掃除。自分で掃除するとなると『面倒くさいなあ』となるし、終わった後の『綺麗になってよかった!』という嬉しさで、気持ちの振れ幅が生まれますよね。それが家にルンバがあれば、ボタンを押して終了。それ以上に気持ちが沸き上がることがないんですよね。

この感情の振れ幅って人間にとってすごく大事だと思うんです。だって、感情が動かなくなるってそれは機械も同然ですよ。好きな人との連絡も、今はLINEやSNSもテレビ通話もあって相手をすぐ感じられるけれど、ドキドキ感があまりなくて。

昭和は実家の黒電話をかける以外の方法がなくて、しかも電話しても本人がでるかまずわからないし、お母さんやお父さんが取る可能性もある。だからこそ、好きな人が出たときの嬉しさって何倍にもなるんです。それに当たり前が溢れていたら人間力って育たないと思うんですよね」

物質の豊かさが精神の豊かさの成長を妨げているという。さらに阪田は現代に漂う閉塞的な空気感も、この便利さがもたらしていると語る。

AUTHOR

田口 俊輔

CREDIT

撮影/荻原大志


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