「台本を読んで、由良と陽介に対して『悲しいな』と感じました。由良は自信のなさが攻撃性につながっていると思ったし、陽介は高圧的に育てられたことで歪みが生じたのかな、って。心に穴を持つ2人を見て『ここまで攻撃的にはならないけど、気持ちはちょっと分かる』という方はいっぱいいらっしゃると思います。
ただ私の場合、そんな心の穴は感じたことがなくて。こういう仕事をしているといろんなことを言われるし傷付いた時期もあったんですけど、親しい友人が『それは気にしなくていい』と言ってくれたり、妹が『大丈夫だよ。世界で一番みーちゃんが可愛い』と言ってくれるおかげでもう他の言葉は入ってこなくなりました。身近に全肯定してくれる存在がいるからこそ、私は由良や陽介のような深淵に落ちなかったんだろうなと思います」
宇垣は自分のことを「ハッピーでネアカな性格」と分析する。コンプレックスに縛られず自己肯定感を上げて前向きに生きるための秘訣を、最後に彼女に尋ねてみると――。
「私はせっかちで、無駄なことが苦手なんです。だから、『私なんて……』と思うことに対して『その悩み、生産性ある? 時間の無駄じゃない?』って思っちゃう。1時間くらい考えて解決しないのなら、もう考えても仕方ないから寝たほうがいいと思うし。そもそも、寝て忘れるようなことなら最初から考えなくていい。
あと、自分に対するハードルを低くしておくのも大事かな。私は朝ちゃんと起きられただけで『私、えらい!』って思う性格(笑)。それこそ『今日上手にマスカラが塗れた。私すごい!』『なんとなく入ったお店が美味しかった。私嗅覚よすぎ!』『原稿の締め切りを守った。私えらい!』とか。締め切りを守るなんて当たり前なんですけど(笑)。大きな成功体験を得るのは簡単じゃないけど、小さな成功を積み重ねて自分をたくさん褒めることで自己肯定感は高まるんじゃないかなと思います」
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