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UPDATE|2024/01/23

“プロレスとアイドル”をめぐる大きな転換点…SKE48荒井優希が王座戴冠、キャリアで培った強さとは

(C)東京女子プロレス



マックスの猛攻を見事に受け切りまくる闘い方、これはまさしく「風車の理論」。きっと本人はわかっていないと思うが、無意識のうちに闘魂伝承しているかのようなファイトスタイル。勝ち星に恵まれなかった2023年を悔やんでいた荒井優希だったが、大型レスラーとのシングルマッチが多く組まれたことで、プロレスラーとしての耐久力やスタミナ、そして、どんなに攻められても折れない心を彼女は手に入れていた。

こればっかりは一朝一夕にどうにかなるものでもない。もうすぐ3年を迎えるプロレスラーのキャリアの中で、やられること、負けることを通じて、荒井優希が時間をかけて体得した「強さ」がそこにはあった。1年前の彼女なら、この闘い方はできなかったし、実際に1年前のイッテンヨンではマックスに圧殺されている。継続は力なり、である。

逆転を狙ってのコーナーからのボディーアタックはマックスにキャッチされてしまったが、冷静にクルリと丸めこむ。あわやカウント3か、というシーンに客席は沸いたが、じつがこれは「誘い水」。フォールをクリアして、無防備に立ちあがろうとしたマックスは、まさにひざまずいたような態勢に。この一瞬を逃さずパーフェクトにFinallyをヒットさせた荒井優希は怪物超えを果たし、見事にインターナショナル・プリンセス王座を手に入れた。

敗北を認めたマックスは1年前の試合で強奪していったYUKIと刻まれた髪飾りを荒井優希に返還。「髪飾りが戻ってきたことで勝利をより実感できた」と荒井優希はホッとした表情を浮かべた。インターナショナル王者として海外から注目されるだけでなく、荒井優希からベルト奪えば一般メディアでも大きく取り上げられることから、挑戦をブチあげる選手が続出することも予想される。2024年は荒井優希が闘いの「軸」になっていきそうだ。

1月から2月にかけて東京女子プロレスではタッグトーナメントが開催されるので、おそらく防衛戦は組まれない。おそらく次の防衛戦は3月31日、両国国技館でのビッグマッチになることが濃厚だ。その両国国技館のメインイベントでおこなわれるプリンセス・オブ・プリンセス選手権試合では、挑戦者決定戦を勝ち抜いたアップアップガールズ(プロレス)の渡辺未詩が難攻不落の王者・山下実優にチャレンジすることが決まった。

SKE48の荒井優希がチャンピオンとして登場し、アップアップガールズ(プロレス)の渡辺未詩がトリを飾る両国国技館決戦。まるでアイドルフェスのような座組みだが、これこそが2024年の女子プロレスの最先端なのだ。「プロレスとアイドル」をめぐる大きな転換点は、間違いなく3・31両国国技館になる!

【あわせて読む】SKE48荒井優希が“怪物”マックス・ジ・インペイラーと対戦「ベルトを取って赤井沙希さんに報告したい」
AUTHOR

小島 和宏


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