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UPDATE|2023/10/09

25周年に懐かしのMV大公開、ハロプロの隠れた名曲・名物ユニットを映像とともに振り返る

アップフロントチャンネル『メロン記念日「This is 運命」Music Video』より


モーニング娘。が「シャ乱Q女性ロックボーカリストオーディション」の最終選考の落選者を集めて結成されたことは語り草となっているが、初代リーダーの中澤裕子もやはりソロでの歌手デビューを志して応募していた。その中澤の夢がかなったともいえるのが、1998年よりリリースされた彼女のソロ曲たち。

ところが初ソロ曲の『カラスの女房』(1998)は同じアップフロントプロモーション所属の堀内孝雄が作曲した演歌。その後のシングル2曲も演歌が続いたが、4thシングル『上海の風』からはつんく♂が作曲しポップスも歌った。演歌的なしっとりとした歌唱から、伸びやかで明るいポップスまで音域は広く、モーニング娘。での「おばさんキャラ」とは違う中澤の表現力を見ることができる。25周年コンサートでの彼女は『悔し涙 ぽろり』(2001)をソロで歌い上げつつ、ステージ上に火花が噴き上がる演出で客席を驚かせた。

また8月18日にメロン記念日の楽曲MVが一挙に公開された時、驚きを呼んだのが『お願い魅惑のターゲット』(2006)のMVだ。柴田あゆみ・村田めぐみ・斉藤瞳・大谷雅恵の4人組のガールズユニットのはずなのにメンバーが一切登場せず、4人の黒人男性がパフォーマンスをしているだけという珍映像が映し出されるMVだったのだ。なぜこんなMVになったのか、メンバーや事務所スタッフからも当時の経緯は一切語られたことはないが、こんな遊び心が時々発揮されるのもハロプロならでは。

メロン記念日自体は2000年からの10 年という長期間、メンバーの入れ換えなしで続いた稀有なユニットだが、初期のガールズポップ路線から徐々ラテン的な色気も醸し出すようになり、セクシーな衣装も着こなしていく。MVでユニットの変遷をたどっていくと、00年代初頭の『告白記念日』『さぁ、恋人になろう』などのハッピーオーラあふれる曲にはじまり、情感豊かなバラードの『香水』やセクシーなR&B風の『肉体は正直なEROS』、ハロプロらしいディスコチューンの『アンフォゲッタブル』など、実に幅広いジャンルを開拓してきた4人だったことがわかる。一時期村田がMVで眼鏡をかけている時期があったのもアクセントを添えている。

特筆すべき曲のひとつに4thシングルの『This is 運命』(2001)がある。ベートーヴェンの「運命」をオマージュしたかのようなイントロに始まり、エレキギターによるロック調の本メロが続く。こういったクラシック曲へのオマージュ的な技巧はアンジュルムやBEYOOOOONDSなどでも見られるテクニックで、25周年コンサートではBEYOOOOONDSがこの曲をカバーした。ハロプロの現役グループにも受け継がれる音楽性を、メロン記念日も持っていたようだ。

これらの楽曲はオリジナルのメンバーがハロプロを卒業してからも、現役メンバーによってライブや個人のイベントでカバーされてきた。ハロプロ黄金期の2000年前後にはまだまだ活気があったテレビの音楽番組で幾度も流れ、お茶の間で親しまれていた音楽が、YouTubeへと媒体を移しながらも映像と一緒に楽しめる時代がまたやってきた。

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