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UPDATE|2023/07/11

2時間サスペンスの"帝王" 船越英一郎が伝説の崖ロケに、普段とはまるで違った現場の空気感に

船越英一郎

船越英一郎主演の土ドラ『テイオーの長い休日』(東海テレビ・フジテレビ系全国ネット)第7話が15日(土)23時50分から、第8話が29日(土)23時40分より放送される。今回、物語のクライマックスで放送される崖ロケの密着レポートが到着した。

【写真】「東洋のドーバー」千葉・銚子の崖でロケを行った船越英一郎、場面写真など【9点】

本作は、2時間サスペンスの“帝王”船越英一郎が仕事のない偏屈な“テイオー”熱護大五郎を演じ、悩める人々の背中をガツンと押すヒューマンコメディ。ドラマは残すところ2話となり、「ひねりが毎回すごい効いている。あと15年くらいみたい」「意外などんでん返しがお見事すぎる、あと2話で終わってしまうなんて」と早くもテイオーロスを心配する声も上がってきている。

関東地方の上空に梅雨前線が停滞し、天候が不安定になっていた6月のある日。「崖」の上に集まった制作スタッフ達は、撮影の準備を着々と進めていた。当然のように雲行きは怪しく、万が一、雨が降り始めでもしたら、撮影が進められなくなる。いや、現に、ときおり小雨がパラつく時さえある。そうした切迫した空気感を変えるような、スタッフ「船越さん、入ります」という声が響く。

撮影ポイントから数百メートル離れて駐めてあったロケバスから、支度をすませた主役・船越が、黒のトレンチコートを身にまとってさっそうと歩いてくる。作業をしていたスタッフが全員、手を止め、“おはようございます”と出迎える。その挨拶を聞いた船越が、両手を広げながら、よく通る声で応えた。「ようこそ、わが職場へ!」

その崖は、船越がかつて2時間サスペンスの撮影で、幾度となく訪れていた“思い出の場所”。ある時は真犯人がそこへ追い詰められ、ある時は人質も共に引き回され、そして、凄惨な事件の真相が犯人や主人公の口から解き明かされることとなった、あの“崖”に他ならない。

千葉県銚子市のその「崖」は東洋のドーバーとも言われ、雄大な景観と地質学的な価値から国名勝・天然記念物に指定されている。江戸時代には歌川広重の浮世絵にも描かれた由緒ある「崖」であり、2時間サスペンスのロケ地としても、数限りなくロケ隊が訪れている伝説の「崖」と言っても過言ではない。

懐かしい“古巣”に、いま再び足を踏み入れた船越。「ここはさぁ、もう数えきれないほど来てるんだよ」と、旧友との再会を果たしたような船越のやわらかな表情が、とても印象的だった。いざ撮影かと思いきや、制作スタッフが「本日、船越さんから、カフェ・カーの差し入れがございます」と報告する。

実は、船越が現場にカフェ・カーの差し入れをする、というのは有名な話らしく、記者も共演多数の久保田磨希からその情報を聞いていた。だが 4 月末にクランクインしてから、約2ヶ月半。船越が “カフェ・カーの差し入れ” をできるタイミングは皆無だったのだ。これまで、ロケ地として使用してきたのがビルが密集するオフィス街や、閑静な住宅街だったため、車を駐車するスペースが確保できなかったのだ。

「今回はないかもしれないな」という声がスタッフからも聞こえ始めていた中、ついに伝説の崖ロケで、念願の差し入れが叶えられたかたちとなった。いや、むしろ崖、カフェ・カーというこれ以上ないビッグサプライズに、共演者とスタッフ全員の士気は最高潮となったのは間違いない。

さらに“崖の上の船越”の真骨頂は、現場でも発揮された。太平洋の波に洗われるその崖で、かつていくつもの作品の撮影を行い、「ここがわが職場であり、自分のテリトリー」と自認するだけあって、船越の “崖マスター”ぶりは、半端ない。シーンを撮り進めて、カメラマンが次のカメラ位置を決めている時にも、「あ、こっちは少し降りても大丈夫ですよ」「あそこから向こうは危ないから、絶対行っちゃいけません」とアドバイス。

現場にいるスタッフの誰よりも、その“崖”に詳しい船越だからこそ、説得力も安心感も半端ない。さらに “撮影スタッフの役をやっている共演者”に声をかけ、モニター用のヘッドホンをカッコよく耳にあてる方法をアドバイスをするなど、絵作りに関しても気を使う視野が広い “座長・船越” の活躍ぶりはまさに水を得た魚、いや獅子奮迅の働きと言った方がよいかもしれないものだった。


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