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UPDATE|2023/07/11

2時間サスペンスの"帝王" 船越英一郎が伝説の崖ロケに、普段とはまるで違った現場の空気感に

船越英一郎



そして、その日の撮影のクライマックスシーン。船越演じる熱護が崖の上から海を見渡し、振り返りながら、「あなたが真犯人ですね」と決め台詞を言う設定のカット。

そこで、真正面に眼差しを見据え、カメラにまっすぐ人差し指を突き付けながら真相に迫るその映像は、まさに「ザ・船越」の真骨頂。その場にいたスタッフ全員が、惚れ惚れするようなシーンとなった。

午前は小雨もパラつく様相だった現場も、昼過ぎからは雲が切れ、陽もさすようになってきた。昼食休憩をはさみ、カフェ・カーでおいしい飲み物も堪能できて、現場のスタッフ達の表情も明るくなる。天気のせいだけでなく、この日のロケは、いつもの撮影とは違う、開放的な空気感に包まれていた。というのも、この日は「熱護たちが崖で撮影を行っているという設定」での撮影だったのだ。

通常の撮影は、画面内に撮影機材や制作スタッフの姿は、絶対に映りこまないように行われる。映っていいのは現場の背景と、演技をする出演者だけ。カメラの向く方向が変わる度に、その場にいる何十人ものスタッフは、一斉に「カメラの後ろ側」もしくは「カメラに絶対映らない場所」に、逃げるようにして位置を変えて、撮影を進める。

しかし、この日は “撮影現場のシーンを撮る” のが狙いのため、制作スタッフはむしろ “映りこんで、場の雰囲気をつくらなければならない” という立場。カメラマンも、撮影助手も、監督も、助監督も、プロデューサーも、録音担当も、美術さんも、ヘアメイクさん・スタイリストさんも、みんな、“逃げる”必要がない。

誰もが、スタッフとして実働しつつ、エキストラとして“出演”もする立場になっていた。また、カメラ・照明機材のスタンド類や、映像チェック用のモニター機材、俳優が休憩するための折り畳み椅子やキャンピングテーブルなどもカメラの死角に片付ける必要がなく、すべてが、堂々とカメラに映りこんでいい“撮影用小道具”となっていた。

こうした、 “いつもとは違う撮影条件”、そして梅雨空で心配だった天候の好転、さらに座長・船越の愛のある“差し入れ”の効果も相まって、この日の崖ロケ全体が、開放的でのびやかな雰囲気の中で進められた。

この素晴らしい崖ロケのシーンは、第7話からの展開を受けて、最終回第8話のクライマックスで放送される。船越といえば2サス。その極めつけとも言える場面が、どのように映し出されるのか。そもそも、熱護はどういう流れでこの撮影現場に登場するのか。俳優としての仕事オファーが来て、長い休日に終止符が打たれることになるのか。シリーズのグランドフィナーレへ向けて、物語がさらに大きく動いていく。

第7話はいつもより10分遅い15日(土)23時50分から放送される。

【あわせて読む】帝王・船越英一郎に聞く2時間サスペンスドラマ「なぜ崖が多い? 崖での撮影に恐怖心はない?」

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