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UPDATE|2023/05/26

元NMB48矢倉楓子、卒業後 社会経験のなさを痛感「焼き肉屋のバイトではあり得ないミスを」

矢倉楓子 撮影/西邑泰和


芸能界引退後は、特にやりたいこともなく、生まれて初めてのアルバイトを経験したが、社会経験のなさを痛感した。

「引退後は焼き肉屋さんとアイスクリーム屋さんで働いたんですけど、私って社会不適合者なんだと思いました。それまでバイト経験がなかったのもあって、普通に働くことができなくて、コメディ映画みたいなことが起こるんです(笑)。たとえば焼き肉屋さんで高いワインを頼んでいただいて、片手でグラスに注いでいるうちに、テーブルにバーッてこぼしてしまったりお皿をいっぱい割ってしまうとか。

現実でこんなことする奴ほんまにいるの? みたいな感じで、おっちょこちょいでは済まないようなミスを何度もやらかして。あと、たまたま焼き肉屋さんに来店してくださった女性のお客さんが、私のことを知ってくださっていたことがあって。お肉を焼いている時に『ふぅちゃうんですか?』って声をかけられて、適当にごまかして気まずくなったこともありました」

芸能界に未練はないつもりだったが、心のどこかでは戻りたい気持ちがあった。そんな気持ちを汲み取ってくれたのは、NMB48時代の先輩だった。

「NMB48を卒業して一般人になった後も、みるきーさん(渡辺美優紀)とけいっちさん(上西恵)とは交流が続いていて。私は大阪にいたんですけど、上京して一緒に遊んだ時に、みるきーさんから『今もファンの方がいるんだったら、このまま引退するのはもったいないし、またやったらいいやん。本当はやりたいんじゃないの?』と言われて。

確かに引退後もインスタは更新していて、ファンの方との繋がりはあったので、そういう言葉を待っていたのかなって。NMB48で心が折れて、もう無理だって辞めたけど、何か理由を付けて、誰かに背中を押してもらいたかったのかなって気づいてハッとしまして。じゃあ復活しようと決めました」

2019年5月に芸能界復帰を発表し、新たな事務所に所属して再スタートを切った。復帰後、初めての仕事は念願の俳優業だった。

「復帰作は『白衣の戦士!』というドラマで、スペシャルゲストとして出させていただいたんですが、オファーしていただいたきっかけは、プロデューサーの方がNMB48時代に私が出演した『マジすか学園』や『キャバすか学園』を観てくださっていたからなんです。

その後も、アイドル時代にお世話になっていた方からドラマに呼んでいただいたんですけど、それってずっと続く訳じゃない。もともと女優さんになりたかったからアイドルになったけど、改めてお芝居の難しさを実感しました。舞台にも出させていただいたんですけど、その思いは、より強くなりました」
AUTHOR

猪口 貴裕


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