乃木坂46の中でのあざといキャラは秋元真夏まで遡る。元々乃木坂46にはあざとさを売りにしているメンバーはいなかったが、『乃木坂工事中』の前身番組『乃木坂って、どこ?』の企画「秋元真夏は腹黒い裁判」にて、秋元のあざとい一面がフォーカスされて以来、秋元の特徴のひとつとして様々な名場面を生み出してきた。
そして、2022年3月に開催された『乃木坂46の「の」 presents 「の」フェス』では「あざとい選抜」が発表され、そのセンターに山下が抜擢。これまで山下のあざとい部分は鳴りを潜めていたが、『じゃない方の彼女』(テレビ東京系)での小悪魔女子の演技や『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)内の『あざと連ドラ』への出演を通して、山下のキャラクターが認知されていく。そうしたあざといキャラの系譜が受け継がれていく中で、突如として後継者に名乗りを上げたのが一ノ瀬というわけである。
そんな一ノ瀬はあざとい然りぶりっ子キャラと言われることについて、「乃木坂46に入ってから、『ぶりっ子』と言われることが多いけど、アイドルを推す側の経験を生かしているだけなんです」と話す。それに加えて本来の自分は明るい部分だけではないという。
これに対して一ノ瀬は「素のままでアイドルをやったら、否定されたときに気持ちが沈んでしまうから、今はアイドルの一ノ瀬美空を自分でも楽しんでいるんです」と自身のアイドル観を語っており、こうした一ノ瀬の言葉からはアイドルとして生きることの難しさを伴うとともに、それすらも楽しむという一ノ瀬の天性のアイドル力という部分もうかがえる(参考:『日経エンタテインメント! 乃木坂46 Special 2023』より)。
そうした活躍を受けて、3月29日にリリースされた32ndシングル『人は夢を二度見る』では3列目に選ばれ初の選抜入りを果たした。そんな一ノ瀬にとって、『THE TIME,』への出演は自身の存在を世間へ広める大きなチャンスだ。朝の情報番組ということもあり、求められるのは爽やかで愛嬌たっぷりの笑顔だろう。
梅澤は同番組で一ノ瀬のことを「笑顔が可愛くて、愛嬌もある子」と評していたように、4月3日の放送回では「7時のうた」を満点の笑顔で歌ったり、柳沢慎吾の「あばよ!」を披露したりと、一ノ瀬のチャームポイントが存分に発揮されていた。今後出演を重ねていくにつれて一ノ瀬の愛くるしい魅力が視聴者にも広がっていくだろうし、乃木坂46の新たな世代が世間に認知されるきっかけにもなるはずだ。
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