FOLLOW US

UPDATE|2023/03/31

HKT48を卒業・矢吹奈子の輝かしいアイドル人生、小学生で加入した少女が成長し韓国でスターに

矢吹奈子 撮影/佐賀章広



クラス替えによる新体制がスタートし、6期生が着々と成長してきたタイミングでの卒業。まさに卒業コンサート、そして当日の昼に開催される春コンサートは、そんな「新しいHKT48」を今を確認してもらう場でもある。その「新しいHKT48」の礎をコツコツと築いてきた中心人物のひとりが矢吹奈子であることを考えたら、ぜひ卒業コンサートだけでなく、春コンサートもセットで見ていただきたいな、と切に思う。

矢吹奈子がHKT48を卒業する、ということは、田中美久との「なこみく」もファイナルステージを迎えることになる。

個人的には「なこみく」は平成のアイドルブームが生み出した最後にして最強のアイドルユニットだと思っている。ペアとしてのオリジナル楽曲が一曲しかないのに、こんなにも語り継がれる存在がほかにあるだろうか?

2年前、ももいろクローバーZの佐々木彩夏が主宰する日本武道館で開催されたアイドルフェス「AYACARNIVAL」にHKT48が出演したとき、参加メンバーに田中美久の名前を見つけた佐々木彩夏は「コラボ曲はみんなで盛り上がる楽曲がいいんだろうけど、本当はさ、私が奈子ちゃんのポジションに立って“あやみく”をやってみたかった。ただファンの方から怒られちゃいそうだよね」と本音を漏らした。あぁ、なこみくというのはアイドルからも、あんな風になりたい、と憧れられる存在だったんだな、と改めて実感させられた。

卒業しても、おばあちゃんになるまで、ずっと仲良し、と公言する二人だけれど、アイドルとして同じステージに立つのは、4月1日のパシフィコ横浜 国立大ホールがラストとなる。

先日、武藤敬司の引退試合を見ながら「平成初期のプロレスの最終回だ」とうるうるしてしまったばかりだが、今度は平成のアイドルブームを思い返して、またウルっときてしまうのかもしれない。矢吹奈子の卒業は、これからのHKT48、そしてアイドル業界にとって、きっと大きなターニングポイントになる。

9年前、インタビュー現場の椅子にちょこんと座っておとなしくしていた小学生が、4月1日、パシフィコ横浜の大きなステージで卒業を迎える。ファンに愛され、同業者からも憧れられた存在は、アイドルとして、どんな散り際を見せてくれるのだろうか? 例年よりかなり早く咲き乱れている桜の花を見ては、そんなことを思わず考えてしまう令和5年の春……名花がまた一輪、去る。

【あわせて読む】HKT48矢吹奈子の卒業発表を見守る田中美久、やさしい表情から見えた9年間の絆
AUTHOR

小島 和宏


RECOMMENDED おすすめの記事