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UPDATE|2023/03/25

青木さやかが語る子育、そして母との関係「離婚をしてワンオペで育児をして生活、倒れたことも」

青木さやか 撮影/西邑泰和



「今は、あんなに嫌いだと思っていた母と仲直りができたんだから解決できないことはない、と思っていますけど、昔は母子関係が悪かったことで自分が母になることにすごく恐怖感があったんです。

今もそれがなくなったかといえば嘘になるけど、じゃあどうすればいいのか。それを日々試行錯誤しながら努力している。そのあたりが赤裸々に書いてあります。自分なりの方法を今試している最中、という感じですけど、今のところ悪くない感じがしますね。私が10年前にこの本を読んでいたら、すごく参考になっていたんじゃないかな」

子どもの有無に関わらず、男性にも読んでほしいと力を込める。

「男性ってお母さんのことを神聖なものというか、そう思いたいという人が少なくないのかなと。母親と仲が悪いと告白したとき、それをあまりよく思わない人、批判的だったのは男性が多かったんです。こういう悩みを持つ人もいるんだ、ということを理解してもらえると女性も楽になるんだろうなと思ったりはします」

また、本書が子育てを取り巻く環境を考えるきっかけの一つになったら、とも語る。

「離婚して仕事をしながらワンオペで育児をして生活する。体力的にも精神的にも、これが本当に大変だったんですよね。倒れたこともあったし、よく死ななかったなと思うくらい(笑)。そんな非常に大変な時期を今、味わっている方もいるかと思いますし、私個人の話というよりも、一般的な話にもなるのかなと。

ここまで10年以上、子育てをしてきて『子どもがかわいい』という感情以外で子どもを産みたいかというと……。シングルで子育てするときにとくに大変なのがやっぱり金銭面。納得がいく暮らしをするためには、ある程度のお金は必要だなと思っていて。自分が教育方針にすごく共感できる学校が私立だったら、そこに入れたい、とかね。まぁ本当は、それぞれの家庭が、金銭的なことは考えずに、教育方針に合う学校を選べるような世の中になったらいいのに、とは思うんですけど。」

日常のなかで、娘との時間が一番大切だという青木。日々、意識していることは?という質問には、「切り替え力かな」と答える。

「仕事で何かあっても娘との関係には持ち込まない。逆もしかりですね。もともと切り替えるのはあまり得意じゃないので、意識的に変えるようにしています。コツは『切り替えないといいこと一つもないぞ』と過去の後悔や経験を思い出す。嫌な気持ちを引きずっていても、得なことないじゃないですか。自分にとって損か得かで考えます(笑)」

取材・文/吉田光枝

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