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UPDATE|2023/03/15

『舞いあがれ!』制作統括に聞く、母・めぐみの強さと、演じた永作博美のすごさ

連続テレビ小説『舞いあがれ!』より NHK提供

リーマンショックという、多くの人の記憶に鮮明に残っているできごとをシビアに描いたことでも反響を呼んだ朝ドラ『舞いあがれ!』。現実でもそうであったように、ドラマの中でもヒロイン・舞(福原遥)の実家の工場「IWAKURA」の経営が悪化。さらに過労がたたって父の浩太(高橋克典)が帰らぬ人となるなど、大きな波乱を巻き起こした。そしてその中で、社長を継いで舞とともに経営再建に乗り出したのが、母・めぐみ。経営再建の過程での、永作博美演じるめぐみの“変化”は年明けの『舞いあがれ!』の見どころにもなっていた。このめぐみの“変化”の描写について、『舞いあがれ!』制作統括・熊野律時チーフプロデューサーに聞いた。

【写真】母・めぐみの“変化”『舞いあがれ!』場面写真【5点】

「お母さん、めぐみさんの描き方はだいぶ意識したところなんです。それまでずっとお父さんの浩太さんを支えてきた存在で、お父さんが亡くなったときにどういう決断をするのか。長い間、家族を支える側として一生懸命頑張ってきて、それはそれで幸せな人生だったんですよね。

でも、そこで大きな転機を迎えたときに泣き崩れているんじゃなくて、自分で立ち上がって社長になってIWAKURAという会社を率いていく。その中では、すごく辛い決断もしないといけない。決してすべてが正しい選択をしているわけでもないですし、その時点でどうすれば正解なのかは誰もわからないわけですよ。それを、いままで支える立場だっためぐみさんが自らやっていく。その姿を、ヒロインの舞が見て共有して学んでいくという、そういう展開ですね」

『舞いあがれ!』の主人公は、あくまでも福原遥演じる岩倉舞だ。工場の危機にあたっても、舞が中心となって乗り越えるような描き方もあり得なくはないところ。ただ、それはしなかった。会社にとって大事なことを決めるのは、すべてめぐみであった。

「何しろ舞はまだ学校を出ただけで、社会人経験もないヒロインなワケですからね。それでヒロインがぜんぶを解決してしまっては非常にウソっぽい(笑)。むしろ、母と娘でタッグを組んで、娘としてできることを探して一生懸命やる。

でも会社として決断していくのはめぐみなんです。そのめぐみさんのつらさを舞が共有する中で成長していく。人生の向かい風に立ち向かっていくめぐみさんをみて、ヒロインに大きな影響を与えていくそういうステップアップの仕方をヒロインにさせたいなというのがあったんです」


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