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UPDATE|2023/03/01

“アウトロー文化人”瓜田純士が詳細解説「BreakingDownが大ブレイクした本当の理由」

撮影/たむらとも

間違いなく、日本でもっとも注目されている格闘技イベントである。2月19日、舞台を幕張メッセに移した「BreakingDown7」は大盛況のうちに幕を下ろした。

【写真】BreakingDownについて語る瓜田純士【8点】

「“最弱” 10人ニキが“おでんツンツン男”に奇跡の初勝利」「“バカの救済”を標榜する東大相撲部主将が壮絶KO負け」「名物男・こめおをRIZINファイター・YUSHIが担架送りに」「疑惑の判定に“ミスター・アウトサイダー”啓之輔の怒り爆発」「元K-1王者の安保瑠輝也がK-1レジェンドのシリル・アビディを圧倒」など、今大会でも多くのドラマが誕生。新社長に就任した朝倉未来は海外展開も示唆するなど、さらなる飛躍を誓っている。

今や熱心な格闘技ファンだけでなく、小中学生からOLまでもが熱狂するBreakingDown。社会現象と呼べるブームは、一体、なぜ生まれたのか? 自身もBreakingDown7でバン仲村との10年越しの因縁対決を制し、観客や視聴者に大いなる感動を与えた“アウトローのカリスマ”瓜田純士が徹底解説してくれた。

「このブームは複数の要因によって成り立っている。その中で一番大きなキーワードは“メジャー感”になります。今はBreakingDownが流行っているものだから、触発されてケンカバトルロワイヤルやバトルミリオネアといった似たような大会が出てきているじゃないですか。でも正直、どこも苦戦すると思いますね。THE OUTSIDERで地下格闘技ブームが起こったときも、他の団体が出てきたけれど結局はTHE OUTSIDERの独走状態でしたし。

これはなぜかと言うと、不良は一軍志向が強いから。こぼれ組みたいなところでトップに立っても満足できないんですよ。しかも運営しているのが前田日明や朝倉未来というアイコニックな存在である点も説得力に繋がっている。YouTubeでバズリにバズリまくっている朝倉未来が始めたということで、人々は否応なく観たわけです。極端な話、朝倉未来が始めたら百人一首大会だろうが1分間の料理対決だろうがブームを起こす可能性はある」

さすがにアウトロー界隈きっての論客と呼ばれるだけあって、理路整然と人気の秘密を分析する瓜田。ならばと、さらに踏み込んで不良が注目される背景についても語ってもらった。近年、実社会では暴対法とコンプライアンスによって暴力団が締め出されている。不良カルチャー自体が、若者にとって憧れの対象ではなくなっているようにも思えるのだが……。

「『東京卍リベンジャーズ』(著・和久井健/講談社)のヒットを見てもわかるように、ヤンキーカルチャーというのは何周だって回ってくるもの。そのループに運よく重なった部分はあるかもしれません。ただしBreakingDownが本当に不良の大会なのか、そこに関しては個人的に少し疑問符を持っています」

たしかに出場選手は刑務所帰りのアウトローなどだけでなく、炎上YouTuber、ストリート系ラッパー、経営者、キャバクラ嬢、元セクシー女優など多岐に渡っている。一癖も二癖もある連中であることには違いないが、一括りに「不良」と切り捨てるのは暴論かもしれない。

「前々回のBreakingDown6ではBreakingDown軍団とTHE OUTSIDER軍団の対抗戦が行われました。10年以上前にTHE OUTSIDERに出ていた奴らだって、すでに今は家族を持っていたり、マイホームの住宅ローンを払っていたりしてもおかしくない年齢。俺自身、完全に落ち着いちゃっていますしね。たまたま俺たちはピエロを演じることができるから出場したけど、本当に『オラ、殺すぞ!』とか今でも吠えているようなら、BreakingDownなんか出ないで懲役に行ってますよ(苦笑)」
AUTHOR

小野田 衛


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