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UPDATE|2023/02/25

一体何者? 2022年No.1ブレイク女優・松本若菜の“素”「変な人と思ってもらえても嬉しい」

松本若菜 撮影/荻原大志



彼女の良い意味での謎が人を惹きつける中、2月25日、松本の39歳の誕生日に初のフォトエッセイ集『松の素』(KADOKAWA)が発売される。タイトルのとおり1冊に松本の“素”、全てを注ぎ込んでいる。

「とある調味料からステキなひらめきをもらい、私に色々な味付けをしてくれる要素たちを集めました!という意味をこめ、松本……松素、『松の素』がいいんじゃない?と(笑)」

20代の頃に写真集を2冊発売しているが、こうして自分の想いのたけを綴るのは人生で初めての経験だ。

「『松本さんの本を出したい』とお声かけしてくださった、担当の方の名前が“わかな”さんで。もうその瞬間に、『これは運命だ!!』と、勝手にシンパシーを感じ『やりたい!』となりました。とはいえこれまでの私は、改めて自分の想いの丈や心の内を喋りでも書くことでも形にする機会はなく……なんなら出したいとすら思ったこともなかった。どちらかというと自分の内を曝け出すことは、演技や役にマイナスの影響が出てしまうのでは?という、どこか古い考えを持っていたんです。様々なSNSをやっていますが、これまで自分の私生活や胸の内という“素”はほとんど出してきていません。

ただ様々な経験を経たことで、表現の一つとして、自分の趣味や思考をただ淡々と書いて、それを見ていただいた方に思ったまま自由に捉えていただけたら、それはすごく面白いことだし、私も新鮮な気持ちになれるのかな?と思いはじめて。そう決まったらとにかく、これ好き!あれも好き!あれやりたい、これやりたいという、私の頭の中身全てを表現してみようとアレコレ提案しました。だいぶ無理も言ったのですが、そのムリすら実現してくださって。たくさん手厚い助けをいただき、一切手を抜かずに“松本若菜という人間”を表現しました」

中身はまさに遊び心満載。消しゴムハンコや刺繍・裁縫、DIYなどの多彩な趣味から、愛猫の“もんちゃん”への深い愛情、これまでの歩みを凝縮したページから真剣な想いを綴ったエッセイ。さらには、女優魂が炸裂した“なりきり変身”、編集も驚いた松本による美麗なイラストに、まさかのシールに塗り絵の“ふろく”もセット……。松本の言葉を借りるなら「大切なおもちゃ箱」の一冊に仕上がっている。

「完成したページを眺めていると、『なんと一貫性のない中身!』と、自分でも驚きます(笑)。私が驚くんですから、読んだ方はページをめくるたびにコロコロと変わる中身に、『この本は何!?』とさらに驚かれるはず。けど、それが松本若菜という人間の中身なんです。常に笑っていたいし常に冗談を言っていたい、けれども締めるとこは締めたい人でもある……こうありたい人間像やオン・オフを文でも写真でも表現したかったんです。何もかも私の好きなことを、ひたすら詰め込んで。その詰め込まれたものが全て宝物に見えるような造りにしていただきました。

ちょっとずつ自分の中の引き出しを開けていき、その中身をちょっとずつ見てもらう。そこで面白い人だなと思ってもらえたら嬉しいし、『変な人!!』と思ってもらえても嬉しい。なんならフォトエッセイじゃないじゃん!と思ってもらってもいい。見る人たちによってそれぞれ、意見がわかれるようなそんな本になっている気がしています」

プリズムのように、見る人の目を通して多面的な輝きを放つというのだろう。ページをめくるたびに「松本若菜 何者?」という一人ひとりの疑問に、それぞれの想う松本若菜像を浮かび上がらせていく。『松の素』の誌面でも“松本劇場”の開幕だ。

「この一冊で、新たな松本若菜の一面を知っていただけるのかなと。あまりに色々とありすぎて、余計に『松本若菜 何者?』と調べたくなるかもしれませんが(笑)。ぜひ、胃もたれしないように味わっていただければ幸いです」

(取材・文/田口俊輔)

▽松本若菜(まつもと・わかな)
1984年2月25日生まれ、鳥取県出身。2007年に『仮面ライダー電王』で女優デビュー、以降『愚行録』『復讐の未亡人』『やんごとなき一族』などに出演。
Twitter:@wakana_ma
Instagram:matsumoto_wakana
CREDIT

取材・文/田口俊輔 撮影/荻原大志


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