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UPDATE|2023/02/26

会話術本を出版・渡部建に聞くトークのコツ「女性からの相談は感情に寄り添うだけでいい」

渡部建 撮影/松山勇樹



【CASE 3 : すぐマウントを取りたがる“マウント部長”にチーム全員が辟易としています。たしなめる方法はありますか?(36歳・男性)】

渡部 マウントする人というのは往々にして言うことを聞かないんですよ。聞く耳を持たない。これも基本ラインとしては信頼ポイントを貯めて意見するしかないんですけど、ちょっと高度な方法としては“いじる”という作戦がありますね。

──どういうことでしょうか?

渡部 マウント部長の偏屈ぶりを笑いにしちゃうんです。ただしこの作戦は非常にリスキーなので、あらかじめチーム全員に「俺がいじったら笑ってくれ」と周知徹底させる。人間って嫌なことを言われても、周りが笑っていると怒れないものなんですよ。そして、あとからさりげなく「あの場ではあんなことを言ってしまいましたが、部長のように強い意見を言ってくれる方がいるから、このチームは推進しているんですよ」とか、さりげなくフォローする。それでマウント部長が抱えたモヤモヤした気持ちも解消されるはずです。

【CASE 4 :10秒くらいしか相手と話せないアイドルの握手会。どうしたら推しにインパクトを残せますか?(39歳・男性)】

渡部 アイドル側からすると、爪痕を残そうと躍起になっているファンが一番嫌かもしれませんよ。だって巨大な規模の握手会だと、そんなファンが大量にいるでしょうから。「面倒くさい奴だなぁ」と思われているかもしれません。

──だからといって、「その他大勢」で埋没したくないという気持ちもファン心理としてあるはずです。

渡部 押しつけがましくインパクトを残す必要はないけど、同じ服装で来るとかいう工夫は必要かもしれませんね。たとえば「越谷から来る赤いマフラーの人」とか覚えてもらいやすいじゃないですか。あとはプレゼントが可能なら、同じものを渡すのもいいかな。僕自身、いつも入浴剤をプレゼントしてくれるファンの方がいらっしゃったんですけど、やっぱり印象に残りました。そういった感じで、多くのファンが集まる場では自分をキャラクター化していったほうがいいかもしれません。


いかがだっただろうか? さすがに海千山千の芸能界を渡り歩いてきただけあって、説得力は抜群だと感じられる。渡部自身も主張しているように、本当に大事なのは当たり前のことを徹底して行うこと。具体的には、聞き役に徹して相手から言葉を引き出すことが会話スキル向上の生命線ということになる。誰にでもできる渡部流コミュニケーション、ぜひトライしてみては!?
AUTHOR

小野田 衛


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