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UPDATE|2022/10/29

元アイドル・一ノ瀬みかが語る復帰への日々「心を壊してからは本当に困難ばかりでした」

一ノ瀬みか 撮影/関根いおん



──一ノ瀬さんが脱退の際に書かれていた「戻ってくる」という意思すら、自らの重荷になっていたのでは?と邪推してしまって。

一ノ瀬 そうですね。まずは復帰するには体力も気力も回復しなければと思い、とにかく治療だけに専念していました。精神的なダメージは治療のみならず、私生活の根本的な改善を徹底することから始まって。でも、そうしたことを身体に染みこませるのも、ものすごくストレスになってしまう日もあって。

ただ、心の奥底には、もっと早く復帰しなきゃ! みんなが待ってくれている! という焦りも同時にあって。DMやファンクラブメッセージに「今日はこんなことがあったよ。みかちんが早く良くなることを祈っているから、無理しないでね」と、応援の声が毎日届いて。嬉しい、だからこそ、早くその声に応えたいと復活を急ぎたい気持ちの繰り返しでした。

──そうした日々を重ね、4月ごろにファンクラブでのトーク会とSNSを通じて、現状を報告されます。ここに至るまでに、大きなタイミングがあったかと。

一ノ瀬 実はある出来事をさかいに「そっか、私は生きるしかないんだな。仕方ないなあ」と、スッと我に返ったんです。ではこの先も生きていくには? と考えたら、人間関係や金銭面を作らねば、ちゃんと自分の意思で前へ踏み出さないとな。という気持ちが湧いてきたんです。

──達観と言いますか、ある種開き直ったと。

一ノ瀬 その通りです。やりたいことも夢もあって、周りの人も協力してくれる今の事務所の方もいる。ならば「何を今更、諦めようとしているんだ。これは私の人生。ならば自分を幸せにすればいいじゃん」って、スッと自分の人生への向き合い方がフラットになったんです。これまでは、根本となる考え方が「誰かのため、メンバーやスタッフさんのため」という、「自分はどうでもいい、まずは相手」というものだったんです。そのためにどうするか?と、難しくごちゃごちゃ考えていて。そこから、シンプルな考え方・生き方でいいじゃん!と、切り替わったんですね。

その瞬間から、ものすごく体も心も軽くなりました。今まで呪いにでもかかってたんじゃないかな?ってぐらいに。こうして変わり始めた時期が、偶然にもお医者さんから診断を出された「半年間の自宅療養」から半年たったころで。まさに、今こそ来たるべきタイミングなんじゃない?と、5月ごろからやっと本格的に歩きだせた感じです。正直あの発表時点でも、色々と手探りでした。

──あの投稿の段階で「寛解の目処が立った」と記載していましたが、それでも相当瀬戸際に瀕していらしたんですね。

一ノ瀬 今やっと、冷静になり、自分を見つめ直せるようになったから、こうして話せています。

AUTHOR

田口 俊輔


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