坂道シリーズと演劇、特にミュージカルとの関係において、乃木坂46の貢献は無視できない。生田絵梨花・桜井玲香はグループ在籍時からミュージカル経験を積み、卒業後も主演やメインキャストとして舞台出演を続けている。スターシステムを取り、役者のネーミング・話題性も動員に影響する日本の演劇界で、乃木坂46の卒業生も一定の位置を占めるようになった。
櫻坂46でもキャプテン・菅井友香がこの2022年2~3月にミュージカル『カーテンズ』に出演。主演の城田優が扮する刑事フランクが、舞台稽古で殺人事件が発生したカンパニーに首を突っ込んでいくこのサスペンス・コメディで菅井はカンパニーの新人女優のニキ役で出演、ミュージカルらしく歌やダンスでも存在感を見せた。
ドラマ等での演劇の経験は多い方ではない菅井だが、「櫻坂を新たに知っていただくチャンス」と4thシングル『五月雨よ』表題選抜から抜けて挑んだ舞台で、劇中劇のスター役での明るさや城田のフランクに口説かれる場面での愛らしさなど、約3時間のステージの中で俳優として多彩な面も見せた。
もとより、日本のミュージカル界はジャニーズアイドルが活躍していたし、2.5次元舞台がジャンルとして定着したことで、海外の大作の輸入からマンガ原作までバラエティ豊かな表現が可能だ。坂道メンバーの活躍も、このカルチャーの盛り上がりに一役買っている。
この先、坂道グループからミュージカルで才能を開花させるメンバーがさらに登場するのではないかと期待は膨らむ。
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