自虐気味に「年々、話題も写真も減っていく」と笑ったふたりだが、充実しまくっていた最初の数年で、ふたりがセンターに大抜擢された『メロンジュース』と『桜、みんなで食べた』という代表曲に恵まれたのは本当に大きい。『メロンジュース』は紅白歌合戦初出場のときにパフォーマンスしたこともあって一般層への浸透度も高く、いまでもHKT48のライブでは欠かせない一曲となっている。もうセンターに立っていたふたりはいなくなってしまったけれど、ずーっと歌い継がれているのだから、これは「センター冥利」に尽きる話ではないか? 選ばれし者しか立てないセンターというポジションで結果を残すということは、すなわち歴史に名を刻み、語り継がれる存在になるということなのである。
前述したように、ふたりの職業はもうアイドルではない。
だからこそ、ステージ上でのふたりはいい意味で肩の力が抜けていて、とてもリラックスしたムードでイベントは進んでいった。現役アイドルだったら、さすがにもうちょっとちゃんとしなければいけないのだろうけど、集まったファンもふたりが心から楽しんでいる姿を見ることができて、とても幸せそうだった。あのころのイメージを破壊しない程度に肩の力が抜けているのであれば、みんな大歓迎なのである。
全体の7割ぐらいを田島芽瑠がマシンガンのようにしゃべりまくるのもあのころのままだし、急に話を振られた朝長美桜が困ってしまうところも変わらない。アイドルでなくなっても、ふたりが揃えば『めるみお』だし、瞬時に『あのころ』が蘇る。
「ちゃんとしたリハーサルもしていないのに、ここは私がステージのこっち側に行って、みおが反対側に行ったらいいかも……と思っていたら、本当にみおがそう動いていて。これが10年間、ずっと一緒にやってきたってことですよね。ステージに並んで立っているだけで安心するし、打ち合わせなしでも同じことを考えていて、自然に動いているってすごくないですか?」(田島芽瑠)
そして、第2部ではさらなる「絆」が生み出されることとなる。
【後編はこちら】アイドルとして理想のセカンドキャリアを邁進、元HKT48・田島芽瑠&朝長美桜の今