FOLLOW US

UPDATE|2022/08/10

『あな番』考察で大ヒット、コンテンツ全部見東大生 大島育宙「酷評のための酷評はしない、それが仕事」

XXCLUB 大島育宙  撮影/松山勇樹



──大島さんの考察が注目されたドラマ『あなたの番です』の魅力を教えてください。

大島 制作の裏側を聞くと、(企画・原案の)秋元康さんはゴールから計算して、「ここで人が死ぬようにしないと盛り上がらないから殺され方を考えてほしい」と言って、脚本家やプロデューサーが頭を抱えながらアイデアを考えたらしいですね。「どうすれば視聴者の気持ちが盛り上がるか」を徹底的に考えて、そこから逆算してトリックを考える作り方。

海外のドラマでは普通にやっていることだけど、日本では少なかった。『あなたの番です』の目的は視聴者を納得させるトリックと言うよりも、半年(2クール)走り切ってみんなを熱狂させること。最終回のネタバラシに批判もありましたが、19話まで視聴率が高かったから目的の99%は達成されていると自分は思ってます。

制作側は散りばめた謎を拾ってほしいと思っているわけで、僕が誰も気づいてないことを指摘すると、制作スタッフの方たちも喜んでくれたみたいです(笑)。『真犯人フラグ』(日本テレビ系)の時はプロデューサーと脚本家が僕のチャンネルに遊びに来てくれました。裏方の人が観ても嫌な気持ちにならない考察にしたいなと思いつつ、みんなが褒めていてもダメな作品だと思えば酷評することもあって。そんな時も、無限にしゃべることができるくらいの準備をして、「酷評のための酷評」はしないようにしてます。一応のプロ意識ですね(笑)。

──最近は考察を楽しめるドラマが増えてきました。テレビとYouTube、SNSがいい相互作用をしているのかなと思います。

大島 ただ、それだけがドラマの作り方になってほしくないというか。正直、考察を狙ったドラマで「こうしておけばいいんでしょ」という姿勢の作品も増えていて、そんな作品を作る時間があればもっと豊かな作品を作ってほしいと思います。僕のYouTubeでは、血が通ってないと思った作品は扱わないようにしてます。自分の感情に嘘をついてしまうと地獄なので。

──大島さんにとってゴールはどこに設定しているんですか?

大島 みんなゴールってあるんですかね?


RECOMMENDED おすすめの記事