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UPDATE|2022/08/06

産後初のドラマ出演、夏菜が考えるジェンダーと多様性「考え方が凝り固まっていたと気づかされた」

夏菜 撮影/武田敏将



──夏菜さんの演じる磯森晶について教えてください。

夏菜 もともと晶は(白洲)迅くん演じるサラリーマンで、中身は強い男。新川優愛ちゃん演じる小説家の苑子を奥さんに持つ旦那さんで、普通に会社で働いていたんですけど、ひょんなことから「異性化」して身体的性別だけ女性になってしまう。迅くんが私になるということです。これは私にぴったりの役だと思ったんですけど、台本を読み進めていけばいくほど、晶を演じれば演じるほど難しくて。突飛な設定ではありますけど、性の多様性だとか、人が人を愛することだとか、自分を愛することだとか、夫婦のことだとか、様々なテーマが含まれていて、いろんなことを背負って演じていかなければいけないなと責任も感じます。私自身、自分の固定概念を壊しながら戦っているところです。

──晶を自分事としてとらえることはできましたか?

夏菜 夏菜自身は女性で、男性の旦那さんがいるので、なかなか自分事としてとらえることはできません。そもそも初めて生理がきた男性の苦しみなんて、私には分からない(笑)。晶の立場で台本を読み進めていったんですが、自分に似ているものがあるかと考えたらなくて。少しでも晶を理解できるように、ジェンダーに関しての情報番組や性同一性障害で悩む方のYouTube、映画『リリーのすべて』など、いろいろなものを見漁りました。理解した上で演じないと、この作品に出る資格はないなと考えたんです。

──いつも役作りをする時は、そういった下準備を入念にするほうなんですか?

夏菜 わりと今まではサクッと始めちゃうことが多かったので、今までで一番いろいろ調べたかもしれません。それだけ悩みました。もちろんジェンダーに悩む人がいるのは知っていましたし、性の多様性を認める世の中になってきているのも肌で感じていました。友達にもそういう人はいますけど、意識せずに付き合ってきたので、どこか他人事でした。でも晶を演じる以上は、ちゃんと理解したいですし、責任重大だなと思いながらやっています。

AUTHOR

猪口 貴裕


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