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UPDATE|2022/06/30

祝20周年、ハロー!プロジェクト・キッズが“アイドルも憧れるアイドル”だった理由

ハロー!プロジェクト・キッズ デビュー10周年記念 Berryz工房×℃-ute クロストークBook『Rival ―12少女の10年物語―』(ワニブックス)



グループでの活動を終えたあとの進路も多岐にわたる。鈴木はソロアーティスト、女優、モデルなどとして活躍し、2020年には鈴木雅之の楽曲に参加し話題になった。嗣永はカントリー・ガールズとして、夏焼はPINK CRES.として再デビューするが、嗣永は2017年に芸能界を引退、夏焼は現在ソロで活動している。

アイドル時代から長身で注目を集めていた熊井は『王様のブランチ』リポーターとして活躍したほか、「アルマーニ」のランウェイを歩くなどモデル業を中心に活動。最年少だった萩原は℃-ute解散後にアパレル関連の事業を立ち上げ、現在は代表取締役を務めている。芸能界を引退してもSNSで発信を続けているメンバーが多く、最近では育児について相談し合う微笑ましい姿も見られる。

スキルを求められがちな最近のアイドル界では、新メンバーでもある種“できあがっている”ことが増えたように思う。しかしハロー!プロジェクト・キッズとして加入した15人はほとんどが無邪気な小学生だった。その無邪気っぷりは、当時6歳の萩原が残した「つんく♂とか来て楽しかった」という名言や、菅谷がローラースケートで怪我をしてオーディションにやってきたことにも現れているように思う。そこから20代まで成長を見せ続けてくれた彼女たち。

Berryz工房が2014年にリリースした『普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?』にあるように、小学生から≪土日も全部ささげて来た≫中で、≪デビューしてからも「山」「谷」あり≫、そして若い後輩たちが加入することで≪チヤホヤされてた若い頃 あの頃が少し懐かしいけど≫と思ったこともあるかもしれない。

それでも10年以上にわたる活動の中で個々の魅力を磨き続け、それをお互いに尊重しあうことやグループとして発信することで、それまで考えられていたアイドルという枠を広げる一翼を担ったように思う。だからこそ今でも、これまで送り出してきた楽曲も彼女たち自身も愛され続けているのだろう。そして、その背中を追いかけた後輩たちや、彼女たちに憧れ背中を押されたアイドルたちが今を担い、その精神が受け継がれていくのだ。

【あわせて読む】現在は会社社長・元℃-ute 萩原舞の今「芸能界に未練はまったくありません」

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