──演じるにあたって特に意識されていることはありますか。吉川 私が演じる雪ちゃんは、顔に小さいころの火傷の跡がずっと残っていて、それがコンプレックスになっているんですけど、レンタル彼女のお仕事をしている女の子なので、会う人によって性格を変えるところもあって。素の雪ちゃんというベースはあるけど、レンタル彼女のお客さんの前と友だちの前では全然違う雰囲気なので、どれが本当の雪ちゃんなのかよくわからないくらい。そこが難しいポイントでもあり、演じていて楽しいところでもあります。
そういった原作にもある雪ちゃんらしさを残しつつも、私らしさを出せるように演じられたらいいなと思っています。笑いたくなったら笑うし、うるっときたらそのまま涙目だし。その場の感情をそのまま出すように。嘘をつかないようにしています。マンガの雪ちゃんとはちょっと違うかもしれないけど、生身の人間が演じているというのが伝わったらいいなって。それが実写化の良さのひとつでもあると思います。
──ビジュアル的には原作のキャラクターにそっくりという声もありますね。吉川 見た目は、スタイリストさんとメイクさんが頑張って寄せてくださいました。レンタル彼女のときはお客さんのオーダーによって性格も見た目も変える子なので、例えば妹系のオーダーのときはピンクを多めに使うメイクにしたり、スポーティー系なら強めにしたりとか。そのあたりをメイクさんに相談しています。
衣装も、プライベートは黒。レンタル彼女は白やピンク、色があるもの。レンタル彼女のときも相手によって、ちょっと変えているんですよ。少し心を開いているお客さんの前だと、ちょっとずつ黒が入ってくるんです。最初は真っ白だったりするんですけど、徐々に黒が加わってきて素の雪ちゃんぽさが出てくるんです。見た目からも気持ちの変化が分かるかもしれません。
──吉川さんとの共通点はありますか。吉川 似ている部分はあまりないんですけど、雪ちゃんは自分をうまく出せない子なんですね。私も自分を出すのが得意な方じゃないので、そこは共感できるなって。自分とは似ていないけど、雪ちゃんの言葉や考え方には共感できるところがたくさんあります。
──似てないところ、真逆だなと思うところを挙げるとしたら?吉川 仲の良い子にも悩みやコンプレックスを隠しちゃうところ。雪ちゃんは友だちに火傷跡のことを言えなかったりするんですけど、私は仲の良い子には悩みとか何でも話しちゃうから、そこが自分とは違いますね。
でも、とことん自分で考えてから相談するタイプなので、自分のなかで抱え込んでしまうところは似ているのかな。悩みを相談するにしても、自分では抱えきれなくなったとき。あまり人に頼っていてもよくないし、人の意見も取り入れるけど自分の意見も大事にしたいなと思っているので。人に話すにしても自分でちゃんと考えてから。どうしても浮上できないってなったときに話すタイプです。
──コンプレックスなどで思い悩んでしまったとき、友だちに相談する以外での気分転換法はありますか。吉川 愛犬とわちゃわちゃすること。あとは、湯舟に入るのが好きなので、ゆったりお風呂に入ったり、岩盤浴に行ったり。結構いろんな気分転換のものを持っていますね。好きなご飯もあるし。ずっと好きで通っている薬膳スープのお店があるんですけど、それを食べて癒されるというか。ちょっと落ち込んだときも好きなことをして、美味しいご飯を食べたら「ま、いいか!」ってなります(笑)。(後編へ続く)
取材・文/
吉田光枝▽MBS/TBS ドラマイズム『明日、私は誰かのカノジョ』
MBS 4 月 12 日(火)スタート 毎週火曜 24:59~
TBS 4 月 12 日(火)スタート 毎週火曜 25:28~
出演:吉川愛 横田真悠 齊藤なぎさ(=LOVE) 箭内夢菜 / 宇垣美里 ほか
原作:「明日、私は誰かのカノジョ」をのひなお(サイコミ/Cygames)
(C)「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS
【後編はこちら】ドラマ『明日カノ』でレンタル彼女役に挑戦・吉川愛にとって“演じること”とは